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2021年4月のてあとるみのりです。

Posted by theatreminori on 26.2021 稽古レポート
新年度を迎えてからなかなか活動の様子をお伝えできておりませんでしたが、毎週木曜日の活動は継続しております。ただし、少々変則的な活動内容になった週もあります。今回はそんな4月の様子をまとめてお届けします。

<4月1日(木)>
新年度初日が木曜日。人員体制が不十分な状態での開幕となりました。この日は昨年度末に事業所で実施された「ドミノ6,000個チャレンジ」で使用したドミノ牌を返却するために、6,000個のドミノをすべて検品、清掃して箱詰めしました。

午前の制作部の時間内に終了すれば…と思っていたのですが、参加人数も少なく時間がかかり、午後の稽古時間にも延長して作業を行いました。なんとか時間内に作業を終了し、配送業者の営業所まで台車を転がしてドミノ牌を持ち込みました。残った時間で「ジェスチャーしりとり」を実施し、新年度最初の活動は終了しました。

<4月8日(木)>
この日も欠員がありましたが、午前の制作部、午後の稽古と通常通りの時間枠で開催されています。制作部ではグッズ試作を続行。何人かは新しいアイディアをひらめき、実際の製造に取り掛かっていました。

午後の稽古では今年度の活動予定の説明(現在決まっていることだけ)が行われ、新しい目標に向けて劇団員が気を引き締めていました。その後は昨年度末から続く「セリフを覚えない」ワークショップの進化版を実施しました。これは「セリフを覚える」という行為に意識が偏ってしまう団員が多いことを改め、より自然に舞台(物語の世界)に立ち、いつの間にかセリフが口から出てくるような楽しさをもって脚本に向き合うための企画です。脚本が配布されても配役は未定、決してセリフを覚えようとしないことがルールです。この日は全員で物語の内容、思い浮かぶ設定などをディスカッションし、イメージの共有を図りました。次週までに共有された設定をもとにあらすじを頭に入れてくるという宿題が出ました。これがクリアされていればもうほぼセリフ通りの演技ができるはず…なのですが、果たしてどうなるのでしょうか?

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<4月15日(木)>
午前中の制作部では先週に引き続いてグッズ試作品の製造と既存の商品の改良作業を行いました。自宅で作業をしてきた成果を持ち込む団員もいて、少しずつ試作品も品質が上がってきています。約2時間の活動時間があっという間に過ぎ去っていきました。

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午後の稽古も先週の続きです。もちろん宿題をやってきている前提での2週連続のワークショップです。まずは先週の話し合いだけでは不十分だった情報の照らし合わせを行い、全員でよりイメージを深めるようにしました。ただ、ついつい形式的な人物設定を重視してしまう傾向があり、時間内に話し合うべきだったあらすじの共有が不十分だったのは気になるところです。それでも決められた時間通りにセッションを開始しました。果たしてセリフを覚えずに物語は成立するのでしょうか?

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結果は…宿題を忘れた人は全く物語の流れに入れず孤立してしまい、むしろ物語の進行を壊していましたが、宿題をクリアしてきた人は概ねストーリーや人物設定通りの演技を披露していました。ランダムに配薬を入れ替えながらでも繰り返してセッションするとその精度は高まりました。セッションして脚本を振り返り修正してまたセッションする…。この繰り返しがまさに稽古のプロセスであり、そのための準備をしてこないと今日のように稽古に参加することさえ適わないということになります。何をどう準備してくればいいのかがこの2週間のワークショップで実感されたようです。

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<4月22日(木)>
翌週が祝日のため、この日が4月最後の活動日でした。特に制作部は5月6日(木)の午前中が事業所の別活動が予定されているため、長い休みの前の一区切りでした。とは言え、制作部の取り組む内容は先週からの継続です。少しずつ新グッズ案の数や形が増えていきました。また、長い休みに入ることを見越して課題を持ち帰る団員もいました。

午後の稽古は先週までのワークショップの仕上げです。いよいよ自分たちで決めた配役に則り、脚本を完全に手放しアクションも付けて演じるセッションです。さすがに宿題を忘れた人はもういません。序盤は緊張感もあってかしっくりこない役者も散見されましたが、繰り返していくうちに精度や品質が高まっていきました。さらにこの日は、そんな稽古の様子を加味した音響もほぼ即興で入りました。音響は総監督が兼務するのですが「私も脚本を見ないで、頭に描いている展開と実際の皆さんの演技に合わせて音を入れています」という言葉通り、今回のセッションは全員がその場で起こっていることを素直に受け止め、それが物語の筋に沿っていることが成立条件です。

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最後は全員が自分の役になり切って、物語の世界を共に構築することができた気がします。今回はワークショップということで課題にした脚本はわずか4ページ足らずの物でした。これが長編になってもやることは同じです。まず自分の役、自分のセリフに注目せず、物語の内容、あらすじなどをしっかりと解釈して頭に入れること。心が自然と波立つようにすることが大事です。連休語には新しい動きが待っているかもしれません。この日までに学んだことをしっかりと自分の物に落とし込んできてもらいたいところです。

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