7月25日(木)。この日は「折戸通りの小さな夏祭り」と「夏の短編集」の宣伝番組が、としまテレビで生放送される日でした。生放送される…と言っても他人事ではなく、もちろん宣伝やイベント盛り上げのために、実際に出演するという番組でした。
としまテレビは豊島区役所1階にサテライトスタジオがあり、そこから情報案組「としま情報スクエア」が生放送されます。昨年、総監督が豊芯会やてあとるみのり、さらには夏の短編集VOL.7の宣伝を行ったことを覚えていらっしゃる方もいるでしょう。今回は萬劇場さんが主体となって、イベントを大々的に豊島区民に周知しようという企画です。イベント全体の説明は劇場の方と2団体の代表が担当。てあとるみのりは後半の生CMコーナーに登場しました。今回出演したのは総監督と役者の田中聡です。そして、スタジオの外には劇団員たちが応援(見物)に駆けつけていました!

まるで博物館の展示を見ている人のような雰囲気の写真になってしまいましたが、狭いスタジオの外(区役所の1階)に、てあとるみのりのTシャツを着た人がウロウロとしている様は、なかなかユニークでした。そんな応援のかいあってか、総監督が貴重な15秒の持ち時間中にセリフを噛むというハプニングも発生。ちょっと情けない雰囲気の宣伝になってしまいましたが、ワクワクする感じは伝えられたのではないかと思われます。何よりもほかの団体さんと一緒に、ひとつのイベントを大いに盛り上げようとして力を合わせられたのがよかったです。
さて、午後は稽古です。この日はハートランドみのりを運営する法人の大きな行事の前日で、そのための会場設営とテクニカルリハーサルに総監督が参加。さらに役者のうち2名もリハーサルで発表原稿を読むという任務があり、演出と役者2名が2時間半ほど不在になるというスケジュールでした。変則的な稽古でしたが、その時に稽古場にいる人たちで過去の通し稽古の映像から感じたこと、個々の改善点を出し合い、よくしていくための自主練習を実施しました。

その後、役者と演出が全員揃ってから、確認すべき動きや演技の振り返りを行いました。主にセリフのやり取りや演技がしっくり来ていない箇所を振り返ったのですが、一人が本来の演じ方に修正されたことで、同じように悩んでいたその相手役の演技までスムーズになるという現象がありました。「自分の演技が、自分の表現だけではなくて、相手の表現にも影響を与えてたんですね」という気付きと同時に「もっと歩み寄るべきだった」と双方が反省もしていました。演技の基本のひとつでもありながら、回を重ねて演じていると、相手の演技をどう見させるかというよりも自分の演技をどう出すかということばかり考えてしまうようになります。その結果会話がかみ合わず、どんなに稽古してもしっくりこないという悪循環に陥るのです。

そんな稽古を経て、いよいよ通し稽古を実施しました。先週の通し稽古があまりにもふがいない内容だったので、役者たちの緊張感はかなりの物でした。もちろん、それに比例して、これまで以上に準備を重ねてきたのも事実です。この日の通し稽古ではそんな努力の跡が感じ取れました。一方で、先述したような修正が間に合っていないシーン、段取りが優先されて、不自然な動作になっている箇所、役作りそのものの肝心な部分が抜けているままのキャストなど、主に物語の後半に不完全な演技が多く見られました。物語の完結までの流れを明瞭に、滞りなく進めていくためにも、まだまだ修正が必要です。

そんな不完全なシーンを撲滅するために、木曜日以外の稽古日程が追加されています。追加稽古を重ねて、いよいよ最後の追い込みです。肝心なところでセリフを噛んでしまうことのないように、全員で頑張ります!
早いもので7月も後半です。「萬劇場 夏の短編集」まであとわずかになってきました。制作部も役者たちも、やるべきことを明確にして、効率よく仕事を進めていかなければいけない段階です。
そんな午前の制作部は、衣装作りと11月公演のグッズ作りを継続して行っています。縫い方や止め方が上手く理解できないうちには「どうやるの?」「これじゃダメ?やり直し?」と何度も質問が飛び交っていましたが、一度段取りを理解すると、後は黙々と作業が進みました。

この日は外を回る仕事も一件ありました。夏の短編集と同時に開催される「折戸通りの小さな夏祭り」のチラシを「としまくけいじばん」100か所に掲出するプロジェクトです。これはイベント運営の萬劇場スタッフの発案でスタートした取り組みで、豊島区で活動している我々が喜んで協力を申し出たという流れで、事業所近隣十数か所の掲示板を担当することになったのです。豊島区の許可押印済みのチラシを萬劇場で受け取り、早速何か所かの掲示板を回って作業しました。貼るだけなら簡単…と思いきや、他の掲示物が色々貼られていて、まずはそれらをきれいに並べ直してから場所を確保しなければいけないという現実があり、作業は予想以上の時間と労力を要しました。しかし、これが夏祭りの成功への手伝いになると信じ、汗を流してやり遂げました。

そして午後の稽古。こちらは後半のシーンを重点的に稽古しました。動き方、セリフのやり取りの仕方など、細かい部分に演出が加わっていきました。「このシーンで少し全体の流れを落ち着かせたいからゆっくりやってほしい」「二人の会話の駆け引きをスリリングにしたい」「お客様にこう思わせたい」といった、物語全体のバランスや糸を考慮した演出が多かった印象があります。もちろん個々の演技に対しても「止まってからセリフをお願いします」「相手を見たままで動いて」「この声掛けで反応しないとおかしいですよね」などと、具体的な改善点が指摘され、稽古を繰り返して修正していきました。


稽古の終盤では通し稽古を実施しています。課題が多かった後半の場面を整理した後の通し稽古ということで、全体のクオリティに期待がかかっていた通し稽古でした。確かに、全体の流れやシーンのつながりには改善の跡が見受けられました。しかし、それぞれの役者のセリフや演技に関しては、間違っていたり、忘れてしまっているところが散見され、いい出来だったとは言い難いものでした。

さすがに通し稽古終了後は全員が暗い雰囲気で反省しきりでした。演出からも「舞台が始まってしまったら、こちらからは何も助けてあげられないので、自分たちで何とか頑張ってほしい」「これから現地の舞台に合わせて動きや間合いが変わるところがたくさん出てくるのだから、稽古場ではパーフェクトに近い演技をしてほしい」といった要求が投げかけられていました。次週の稽古までにどこまでこの日の反省を生かし、演技を向上させて来られるか?ここが正念場です!
萬劇場 夏の短編集まであと1か月です。1か月後の今日は最終日です。早いものです。衣装や小道具、役者たちの準備もここからが勝負です。そんな7月11日(木)の活動を紹介しましょう。
制作部では一部の手芸担当がグッズや衣装の製造を行う傍らで、手の空いた役者たちが先週の通し稽古の動画を見ながら「ここの立ち方が変わってないですね」「目の前でこんなことが起こったらもっと動くよね」「思ったよりも、セリフがなまりまくっていますね」などと、お互いに気付いたことや改善点を話し合っていました。午後の稽古に備えて、少しでも客観的に演技を分析して、改善しようという努力が見られました。

手芸系の担当者は短編集より先の11月公演に向けたグッズ作りを続けています。メインで担当しているのが我らが大女優。手芸は得意で本人も好きなのですが、どうしても作業中に集中力が続かなくなることがあります。この大きさにしようと決めたグッズの大きさがだんだんと巨大化していく癖があります。そんなときは一息入れて給水します。「水を飲むと元気になる」という不思議なリアクションがあるので、そこから再び集中して製造に取り掛かることができるのです。

午後の稽古では冒頭でちょっとした撮影が入りました。まだ詳しくはお伝え出来ませんが、11月公演の頃にはお知らせできるような内容です。普段の稽古とはちょっと違った撮影に、緊張もありながらも楽しんで挑むことができました。

その後は、夏の短編集へ向けた「コイノオキテ」の稽古です。先週の通し稽古で課題になっていた物語後半の品質向上を目指して取り組んでいます。後半のポイントになるのはメリハリです。通し稽古では気合が入りすぎたのか、全員がフルパワーで大声演技を繰り出してしまっていました。気合が入ること、力を込めてくれることは悪いことではないのですが、それが物語全体のバランスや、そもそもの人物の枠を壊してしまうようでは意味がありません。観客の立場からも、常に役者が精いっぱいの熱演を続けているだけでは、見ているだけで疲れてしまいます。山あり谷ありのバランスを整えて、30分間を心地よく楽しめるようにする作業を行いました。

ひとつ一つのセリフが誰にどうして向いているのかを改めて考えると、勢いに乗ってガンガン攻めていたセリフが、実は違った表現であるべきことに気付きます。中には、稽古の序盤では自然とフィットしていたはずなのに、繰り返して演じているうちにどんどん強さを増してしまったセリフもありました。思い入れや感情移入が深まるのはいいことです。しかし、それが本来求めているものから遠ざかってしまっては意味がありません。改めて気づかされた役者たちは脚本にどこをどう組み立てていくかを書き込み、まずは初心に帰ってそれに倣って演じて感触を確かめました。こうして少しずつ、物語の後半、特に盛り上がる部分の形を整理していきました。どのような仕上がりになるかご期待ください。

「萬劇場 夏の短編集」は8月8日(木)~11日(日)に萬劇場で全10団体が参加して開催されます。てあとるみのりは8日(木)19時30分と10日(土)12時30分から登場します。前代未聞の恋物語と銘打った「コイノオキテ」をぜひご観劇いただきたいです。上演1か月前となり、衣装や小道具も装備された予告編動画も公開されました。すでにご予約いただいている方は期待を膨らませるため、ご予約を迷っていらっしゃる方はご決断の材料にするため、ぜひご覧ください!
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7月4日(木)は7月に入って最初の活動日でした。「萬劇場 夏の短編集」公演まであと1か月ほどとなり、様々な準備で進捗状況の確認と、ペースを上げなければいけない取り組みが確認されていました。

午前中の制作部では「夏の短編集」に向けての衣装や小道具作りを中心に、一部の団員は11月公演のグッズ作りに勤しみました。グッズ作りの方はすでに製造する物の形状や機能も確定しているため、大きな問題なく進行しています。一方の衣装、小道具作りは試行錯誤の繰り返しです。試しに作って装着してみたものの、イメージしていたような効果や見た目が得られなかった場合はいわゆる没となり、再び作り直しとなります。気分が落ち込んでしまいそうな展開ですが「失敗は成功の母だよ!」と励まし合いながら、改良した試作品作りに取り掛かっています。

午後の稽古はいつものウォームアップから始まりました。てあとるみのりのウォームアップは、まずゆったりした音楽に乗せてストレッチを行い、そこから乗りの良いユーロビートで体を動かします。誰かが動きのリーダーを務め、思い付いた自由な動きを提案し、全員がそれに従うという体操のようなダンスのようなアップです。その先陣を切るのは決まって我らが大女優。音楽が始まると誰に言われるでもなく自由な発想で体を躍動させます。いきなり上下動が激しい動き、グネグネした動き、勇ましい空手のような動きなど、毎回何が飛び出すのかわかりません。おかげで体はもちろん気分も盛り上がって行けるアップになっています。

稽古前には現在揃っている衣装や小道具を役者が身に着け、改善点や不足品の確認を行っています。いわゆる衣装合わせというイベントです。当たり前のことですが、人物によって衣装が異なり、非現実的な衣装を身に着ける人物もいれば、ごく平凡な衣装を身につける役者もいます。全員が衣装で並ぶと何名かは「あれ?これって衣装?」という目の錯覚を起こしてしまうようなこともあります。今回の衣装合わせでもそんな衣装格差があり、ここで我らが大女優が「どうしてあなただけ衣装じゃないの?」と、率直な指摘を。もちろん、名指しされた役者は衣装を着ていたのですが、先述した目の錯覚でそう見えてしまったのでしょう。
衣装合わせの後は気になるシーンの稽古と通し稽古を行っています。衣装を着けたまま稽古に臨む役者も複数いたため、この段階で公開できる写真がほとんどない点をご了承ください。通し稽古の出来は…少しずつ全体としてまとまってきた感じはしましたが、まだシーンによって完成度に差がありました。特に物語が終盤に向けて動いていく後半の展開に盛り上がりや温度のような感覚が不足していました。この点は演じていた役者自身も認識しており「後半が全然でしたね」「ラストのところがまだまだ稽古不足ですね」と、自ら振り返っていました。この反省点は次週以降の稽古で改善していくことになります。
「萬劇場 夏の短編集VOL.8」で上演する「コイノオキテ」は8月8日(木)19時30分と10日(土)12時30分からの2ステージ。チケットは事前のご予約で3,300円です。10日土曜日の公演のチケットの売れ行きが好調です。ご検討中の方はお早めにご予約下さい!
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