気が付けば6月も最終週。てあとるみのりの活動も6月最後となりました。ここからはあっという間に8月の「萬劇場 夏の短編集VOL.8」の本番を迎えることでしょう。てあとるみのりが登場するのは8月8日(木)19時30分からと10日(土)12時30分からの2ステージです。チケットご予約も絶賛受付中(前売り3,300円)ですので、ぜひお早目にご予約の上、大塚駅徒歩5分の萬劇場へご来場ください!
チケットご予約→
こちらさて、そんな宣伝から始まりました6月27日(木)の活動の様子を紹介しましょう。午前中の制作部では短編集で上演予定の「コイノオキテ」に関わる衣装や小道具の作成、加工が行われました。布を縫うもの、切るもの、巻くもの、着色するものなど、様々な工程があり、それぞれ手分けして進行しています。一度完成したかに見えたアイテムも、実際に試用してみると「もっとこうしたほうがよかったね」という改善点が出てきます。それでも「こうやって失敗を重ねて成功にたどり着くんだよね」と受け止め、改善点を反映させた改良作品を作るのが制作部の仕事でもあります。逆に「これはこっちで使えるね」というアイディアの流用もひらめいたりと、転んでもただでは起きない図太さもあります。これも長年にわたって培われてきた力なのでしょう。

午後の稽古では、先週実施した通し稽古の分析に基づいた、各シーンの振り返りと実際の演技指導が行われました。より良く見せるために、これまでに一度決まっていた演出も覆されることもあります。役者たちはそれぞれに対応し、少しでも全体の品質を向上させることに努めていました。

役者の演技の仕方というのは千差万別です。感性を重視する人、しっかりセリフとそれに対応する演じ方を考えてきてから演じる人もいます。どちらが正解ということはありませんが、結果として、ひとりの登場人物に統合されているかどうかが問われます。この点が苦手な役者が、てあとるみのりには数名います。瞬発的な演技の引き出しは持っていても、それが一人の人物としては成立していない。キャラがぶれているという現象から抜け出せないのです。困ったことに、そのことを言葉で伝えても本人には自覚と言いますか、何をどうすれば改善されるかのイメージさえないという状況でさえありました。しかし、今回の脚本に向き合う中で、少しそんな閉塞感を打開するきっかけをつかめた役者も存在しました。稽古の中で演出から丁寧にひとつひとつの言葉やしぐさの意味を照合されていく中で、何に焦点を当てて演じていくかがはっきりしたようです。「今の演技は、何か、すごくよかったです」「演技ってこんなに楽しいものだったんですね」と、数年間の経験を経てやっとその感覚にたどり着いたようでした。

こう考えると、私たちを構成している役者たちは、一般の劇団の役者さんたちよりも成長速度も、基礎的な経験値や理解力も低いと言わざるを得ません。いわゆる「フツー」レベルのスキルが身についていませんし、そのスキルを獲得することさえ容易ではないというのが実状です。しかし、だからと言って諦めている人も、甘んじている人もいません。少しでも良くしたい、自分を成長させたいという欲求は、一般の劇団に負けていません。だからこそ、11年以上にわたって、途切れることなくコンスタントに活動を続けてこられたのでしょう。「コイノオキテ」では、そんな思いの上で創り上げられた、これまでにない品質のパフォーマンスをお届けできるはずです。ぜひ、私たちの現在地をその目でご確認下さい!
8月8日から開幕する「萬劇場 夏の短編集VOL.8」!いよいよチケットの販売が始まりました!てあとるみのりがお届けする「コイノオキテ」は8月8日(木)19時30分からと10日(土)12時30分からの上演です。私たちを含んだ3団体の舞台を楽しめるお買い得チケットですので、ぜひお早目のご予約を!
「コイノオキテ」チケットご予約は→
こちらさて、そんなわけで、午前中の制作部も短編集に向けての活動が中心になってきました。本日6月20日(木)は、「コイノオキテ」で使用する衣装作りに取り掛かっています。既製品を購入しただけではイメージに近付けられない衣装に関しては、手作りまたは一部をアレンジする方法で仕上げていきます。素材になる布を広げ、必要な形状に切り出すところから始まり、その素材を縫い合わせたり縫い付けたりという流れで進んで行きます。イメージに近付けるためにはある程度のセンスが必要です。作業を進めながら「こんな感じでどうですかね?」「もう少し〇〇〇を増やした方がいいですか?」と、確認をしつつ仕上げていきます。まだまだ完成には至っていませんが、数週間はこの作業が続きそうです。

午後の稽古では早くも「コイノオキテ」の通し稽古が行われました。役者たちはこの通し稽古に備えてセリフや物語の流れをしっかりと確認してきたようです。先週の稽古では脚本を手にして演じていた役者も、この日は脚本を見ることもなく、動きや相手の演技に応じたリアクションに重心を置いた演技を見せていました。

「今朝の時点ではほとんど入っていないという感触だったけれど、やってみたら案外まともに(セリフを)言えた」と驚きの声を上げている役者もいました。こういった現象は珍しい事ではなく、相手役がいて、お芝居の流れが感じられる中で演じると、自ずと次の言葉が出て来るものです。もちろん、その下地になる脚本の内容理解を怠っていなかったからこその産物でもあります。これはひとりでは達成できなくても、相手役や同じ舞台に立つ仲間がいるからこそできることではないでしょうか。逆に言えば、ひとりでいくら悩んでいても実感として創り上げられないものが演劇なのです。

今回の「コイノオキテ」は30分間の短編です。つまり通し稽古を1日に何回も行うことができます。この日はとにかく通し稽古に特化し、3回の通し稽古と演出からの振り返りを行っています。「通してみないと全体の流れがわからない」「通しの方が気持ちが入りやすい」「とにかく楽しい」と、この通し稽古については全団員から好評の言葉が上がっていました。やはり公演に近い環境で稽古をすることには、大きな意味があるようです。また、通し稽古の3本目はビデオに録画し、その動画を役者間で共有しました。早速本日の空き時間にその動画を確認し「ここはちょっと(表現が)違ったね」「絶対こうした方がよかった」「思った以上にここはテンポが悪かった」と、振り返りを行っていました。客観的に自分たちの演技を見ることで気付くことはとても多く、いい勉強になります。

夜の時間は、通し稽古の中で特に気になったシーンの稽古を行いました。役を作っていく上で、何となく抱いている自分のイメージをどのように表現すればいいのかに悩んでいる役者に対して、演出からじっくりと「そもそもこの人物がこの場面で第一に考えていること、全ての言動の源になっている動機付けは何か」について、レクチャーがありました。ひとつひとつのセリフそれぞれに感情や状況をイメージするのではなく、全体を通して流れている人物の本質をいかにイメージできるかが大切なのは理解していても、それを具体的にどのような手順で、どの部分に着目して進めていくのかが理解できていない(脚本から読み取りきれていない)役者にとっては、目から鱗のような稽古でした。稽古を重ねるたびにキャラクターに芯のようなものが出来上がっていくのがよくわかり、ひとりの進化が作品全体の質を押し上げることを予感させてくれました。自分自身ができていようができていまいが、逃げることなく稽古に向き合うことが大切なんですね。
6月も半分を経過しようとしています。今年は去年と違って、東京は梅雨らしい梅雨の季節を迎えています。雨模様の日が多いことで気分が上がらないとか言っている場合ではなく、夏の短編集へ向けて一直線の活動を行っている様子をお届けしましょう。
まずは午前中の制作部。夏の短編集で上演する「コイノオキテ」で使用する衣装作りに取り掛かり始めました。衣装を作ると言っても完全にハンドメイド言うわけではなく、既存の衣装を購入し、それをアレンジする形でプランが進行しています。とは言え、簡単にイメージ通りの物に仕上がるわけではなく、何度も試行錯誤を繰り返していく必要があります。衣装の場合、役者のサイズとの闘いも控えています。ギリギリのサイズで挑んだ舞台では、ことごとく衣装が破損し、最終ステージまで機能しないというのが我々の定番です。せっかく労力を傾けて準備した衣装が最後までその使命を全うできるかどうかは役者自身の体のサイズと衣装のサイズのマッチング、役者のアクションの質にかかっています。大きすぎても小さすぎてもギャップや動作制限が生じるサイズ問題は、私たちの役者の間ではなかなかシビアな問題なのです。
さて、そんな苦悩を持続させつつ迎えた午後の稽古。何名かの役者は衣装の試着、小道具案の試用が行われています。小道具案そのものではなくても代用品を使って稽古に臨む役者もいました。何しろ来週には最初の通し稽古が控えています。少しでもイメージを近づけて演じるために、気持ちを入れやすいようにと、各役者は工夫を凝らしつつ、できることにはどんなことでもすがりつくような思いで挑んでいました。

夏の短編集には全団員が出演するわけではありません。代役要員として稽古に協力する役者もいます。そんな役者も、キャスト全員が揃っているとなかなか出番がありません。しかし、退屈な時間を過ごしているわけではありません。この日は演じている役者の感情や動作にシンクロして、ギャラリー側から身振りや表情で勝手に演技を始める団員もいました。演技中の役者にはこの上ないほどの気が散る要素になっていましたが、みんなの心がひとつになっているような実感は得られました。「ついついうずうずしてしまう」というのがうるさいギャラリーを演じていた団員の言い分でした。まあ、それはそれで、身内とはいえ人を引き込むような演技ができつつあるという解釈にしておきましょう。

短編集はたった30分という制限時間の中で物語を演じます。当然ながら一人一人の出番も少なく、物語の構成も緻密というよりは明快な方向に重心が寄っている印象があります。つまり、演じる役者もそういった作品であることを念頭において、短い出番の中でいかに観客にわかりやすく伝えるか、何を届けたいかをはっきりさせた表現を求められることになります。玄人好みしそうな、じっくり深まっていく表現を行っている時間的余裕がありませんので、致し方ない条件です。そんな大胆さを発揮できる役者が思いの外少なく、どうしてもじっくりとキャラクターの魅力を押し出そうとする演技が目立っていました。肝心なのは最初の3つまでのセリフ。そこでこの人物は何をどう考えているのかを知らしめること。演出からはそんな指示が何度も出されていました。

今週は出演者全員が揃っての稽古となった「コイノオキテ」。いよいよ来週には通し稽古です。少しずつではありますが音響も入って、臨場感を盛り上げています。いったい次週までにどんな準備をそれぞれが行ってくるのか、とても楽しみです。15日(土)には夏の短編集のチケット販売もスタートします。のんびりしている暇はありません!皆さんも、ぜひチケットをご予約の上、てあとるみのりがお届けする、いつもとは一味違った夏限定の物語をご覧になって下さい!
午前中の制作部ではいつものグッズ作りとDM執筆に加えて、大きな動きがありました。8月8日(木)から開幕する「萬劇場 夏の短編集VOL.8」のチラシが到着したのです。来週の運営会議に先駆けて、すでに劇場に納品されているチラシを団員1名と制作で引き取りに行ってきました。チラシはA3サイズの紙を二つ折りしたスタイルです。つまり、部数が通常のフライヤーと同じでも、重量は倍。団員たちは台車を転がして出かけています。この日は重量以外にも夏のような暑さもあり、徒歩で通える距離とは言え、なかなか大変な道中だったようです。そんな苦労を経て我々のもとに届いたチラシ。早速情宣活動に活用させてもらいます!

午後は「夏の短編集VOL.8」で上演する「コイノオキテ」の稽古に本格的に突入しました。先週は脚本の配布と配役決めのための読み合わせだけでしたが、この日から場面ごとに動きや位置関係を意識した稽古に入っています。

30分という短い作品の中に物語の展開や人物が織り成すドラマが込められていますので、テンポのいい動きとセリフの連動や、場面の切り替わり、お互いが立っている位置などをち密に調整し、形にしていかなければいけません。そこが曖昧になってしまうと、密度の濃さも伝わりませんし、何よりも30分以内に収めなければいけないというイベントの規定に反してしまいます。この日の稽古ではその点を強く意識して、それぞれの動き方、立っている場所連動したアクションの流れ、時間経過と行動の感覚などを繰り返し練習しました。まだ第一歩が遅れてしまったり、もっと勢い良く動くべきところがゆっくりになっていたりと粗削りではありましたが、一通り、細かい調整が必要なシーンの稽古を行っています。シーンの形が決まってくると、役者は演技そのもののイメージも持てます。感情の込め方も、セリフの精度も自然と向上して行くはずです。

タイトルからご想像可能でしょうが、今回の物語には「恋物語」が関連してきます。これまでのてあとるみのりでは、そういった要素の入った物語は全くと言っていいほど創って来ませんでした。それだけに、その部分を演じるべき役者は「どうやったらいいんだろう」「できるのかな」といった不安を抱えていました。実際には新しい役に挑むということは、常にそういった試行錯誤が存在するものです。慣れた感じ、イメージしやすい役だと楽だが、未体験の役柄は困難という先入観は誤りです。この機会に得ることができた役作りの原点を大切にして、どんな役にも深い探求心を持って挑めるような成長に期待したいところです。

「萬劇場 夏の短編集VOL.8」は8月8日(木)~11日(日)萬劇場にて開催されます。チケット販売は6月15日(土)スタート。前売り券の価格は3,300円です。てあとるみのりが「コイノオキテ」を上演するのは8月8日(木)19時30分からと、10日(土)12時30分からの2ステージです。チケット販売開始までもう少々お待ちください!