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5月30日の「コイノオキテ」です。

Posted by theatreminori on 31.2019 稽古レポート
5月30日(木)。いよいよ「萬劇場 夏の短編集」へ向けた稽古がスタートする日です。稽古では出演者全員が揃っての顔合わせ、脚本の配布、配役の決定が行われました。

午前中の制作部でも、11月の第22回公演用のグッズ作りと併せて、夏の短編集で上演する「コイノオキテ」の衣装や小道具の案を考え始めました。衣装も小道具も早めに準備しておかないと、稽古の質も上がりませんし、準備したものがそのまま舞台上で使えるか(形状やイメージ、機能面のギャップ)という課題を修正する時間を確保できません。極力早く案を演出に提出して、現物を揃え、試着・試用しなければいけないのです。特に今回参加する「夏の短編集」は30分間という短さだけではなく、3団体の対バン形式で舞台を共有する仕様のため、衣装や小道具以外で世界観を表現することが難しくなっています。だからこそ、早めの準備を行っています。

そしていよいよ迎えた稽古の時間。社会人として参加する団員の到着を待つ間は、「コイノオキテ」を早く体感したい気持ちを封印し、別のショートシナリオの読み合わせを行いました。数年振りにてあとるみのりに参加する役者もいたので、全体の雰囲気や、他の役者の特徴を思い出してもらうための時間でもありました。そんな配慮も杞憂に終わるぐらい、全体が伸び伸びと、自分の持ち味を出しつつ、相手がこう来るであろうという予測を立てた演技を見せてくれていました。扱ったシナリオは2種類。その両方で充分に楽しめる演技をそれぞれが見せてくれていました。

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全員が揃った頃合いで、ついに「コイノオキテ」完成版の脚本配布が行われ、物語の概要だけではなく、参加する萬劇場のイベント全体の概要の説明も行われました。昨年も参加した「夏の短編集」と少し違っている点、特に「地元枠」という特別扱いではない立場からの参加であることと、同時開催で提供される和文化体験のひとつ「茶道」を団員の一人が担うことについての説明が手厚くなされていました。自分たちがなぜこのイベントに参加するのか、何を観客や運営側に伝えるべきなのかを、総監督から具体的に説明されていました。共通の目的があってこそ、全員が心と行動を重ね合わせ、力を合わせてゴールを目指して歩み続けることができます。まずはそこを徹底して理解しあったという印象です。

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そんなガイダンスがあった後は、配布された脚本の読み合わせを行いました。試作品を読んだ事のある団員以外には、まさに初めて触れる物語。噂通り、これまで我々が表現したことのないようなジャンルを交えつつ、最終的にはこれぞてあとるみのり的な収束を迎える展開に「面白い」「安心感があった」という率直な声が聞かれました。それでも、特に初見の役者には「まさかここでこんなセリフが!」と、ついつい集中を遮断されるようなシーンもあったようです。具体的に紹介できないのがもどかしいのですが、とにかく総意として「面白かった」ということです。

読み合わせを経てすべての配役も決定しました。どの役も「この人が一番しっくりくるね」と納得の配役でした。これでそれぞれが準備して来る内容や求められている表現がはっきりしました。中には、これまであまり取り組んだことのない表現を求められる役者もいました。次の稽古までにどこまで煮詰めてこられるか、新しいチャレンジに取り組んでこられるか、出演する役者にとっての闘いが始まります。

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稽古の後は、8月の「萬劇場 夏の短編集VOL.8」に臨む劇団員がすべてそろっての懇親会を行いました。普段は裏方専門として衣装やグッズ作りに活躍している団員も駆けつけ、役者と交流する機会になりました。夏の短編集に出演するのは7名の役者になっていますが、舞台作りには全員が何らかの形で関わります。てあとるみのり全員の力が必要なのです。そんな思いを共有するために、とても貴重な時間となりました。私たちだからこそ表現できるものを具現化し、萬劇場に足を運んでくださったお客様の心に、確かな足跡を刻み込むため、ここから約2カ月間のチャレンジが始まります!

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5月23日のてあとるみのりです

Posted by theatreminori on 23.2019 稽古レポート
5月も気づけばあと1週間ほど。日中の気温もかなり暖かくなってきました。屋内で何か作業をしたり、体を動かすと暑いと感じるようになりました。夏が近づいてきています。

そんな5月23日(木)午前の制作部では、第22回公演で販売予定の新作グッズ作りと、今後ラインナップに入る可能性があるグッズのデザインの検討を中心に実施しました。一部の団員は夏の短編集に向けて自ら発送するDMの執筆に取り組んでいました。このところ同じような活動内容が続いていますので、このブログでもお知らせできる情報が少なくなってきてしまいました。活動の内容そのものは確実に進捗しておりますので、まだまだ先になりそうな情報公開まで、根気強くお付き合いくださいませ。

本日のグッズ検討では編み物系のグッズがさらに進化する可能性が示されました。こちらもまだ具体的に説明できないのですが、ひとつの工夫や機能の追加で、かなり使い勝手がよくなったり、手にした時のグレードが高まることが確認されています。商品化されたら、皆さんもきっとお買い求めになりたくなる逸品になりそうですよ。

午後の稽古では、夏の短編集に関連して決まってきたことの申し送りがなされました。今回の夏の短編集は、萬劇場の演劇だけではなく、その周辺の会場で「折戸通りの小さな夏休み」と題した、和文化体験展示が行われます。てあとるみのりに所属する団員のうち、今回の演劇には出演しない女性が、この夏まつりで「茶道」の体験コーナーを担当することになっています(もちろんきちんと茶道を学んでいる者です)。先日行われた打ち合わせの報告と合わせて、こういった催しの告知も行いました。団員たちは「覗きに行きたい」「勇姿を見届けたいです」と、会場に駆けつけるつもり満々でした。あくまでもそれ以外の一般の方を優先しつつ、うまく場を盛り上げることに貢献できればと意気込んでいます。

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申し送りの後はウォームアップを経て、短い脚本の読み合わせを行いました。ほとんど初見の短い脚本を使用しましたので、動きとセリフがかみ合わない箇所も多く、それがまた見ている側にとっては面白く映りました。自分の意思表示として「あきらめない!」と宣言するセリフをなぜか、相手に向かって「あきらめないで!」と訴える役者もいました。これには一同笑いをこらえられず「あなたの方こそですよ」と突っ込みが殺到しました。

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さらに、我らが大女優がまたもや面白い行動を披露しました。読み合わせ最中、自分の出番が近い段階で、断りもなくトイレに入ったのです。セリフがどんどん進行し、いよいよ出番直前まで来てしまいました。慌てて制作トイレのドアをたたき「もう出番ですよ!」と大声で呼び出すと「何?どこ?あたしから?」と冷静な雰囲気でトイレから登場。そのままタイミングとしてはドンピシャで演技に入るという、さすがな行動がありました。しかし、多少は慌てたのでしょうか、シャツが一部めくれたままで、お腹が見えたままの演技になっていました。そこがまた面白さを増幅させてくれました。作り込まれた公演を見せるよりも、こんな日常的稽古風景を見てもらった方が面白いのではないか…と不安になってしまうような日々です。

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また、来週から開始される「夏の短編集」用の作品について、ほんの少し概要の説明もありました。実際の脚本がお目見えするのは来週の稽古の予定ですが、劇団員たちは作品のテーマのイメージを膨らませると同時に、自分がどんな役をやるのかに強い関心を示していました。作品の全貌が明らかになるのは来週木曜日の稽古です。作品のタイトルやあらすじも含めて、皆様もどうぞお楽しみに!

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5月16日のてあとるみのりです。

Posted by theatreminori on 16.2019 稽古レポート
5月16日(木)の活動は少しずつ暖かくなってきた季節に比例して、一日を通して熱のこもった内容でした。少しずつ夏のイベント「萬劇場 夏の短編集」とその先の第22回公演が近付いていることが実感できました。



このところ似たような活動が続いている制作部では、新しい動きとして、編み物系グッズの製造がスタートしたことが挙げられます。編み物が得意な団員が我らが大女優とタッグを組んで製造する「K&Kブランド」の新作へ向けて、まずは「こんな作品が編めるかどうか」「もっとこんな形にできないか」という検証を交えながらの試作を行っています。

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それと並行して第22回公演で販売が決定しているある手作りグッズの生産も進んでいます。公演は11月ですが、生産するのに手間と時間を要するため、早い段階から作れるだけ作っておくという計画です。まだグッズの全貌をお見せできませんが、今までにないタイプの商品をお届けできるはずです。技術的な物を含んだ生産コストもありますのでお値段は決して格安とは言えないものになりそうです。ただ、それを補って余りある魅力的な商品です。劇場で見かけたらぜひお買い求めください。

午後の稽古は複数名の来客もありながらの進行でした。今回は「夏の短編集」用の脚本(試作品)は使用せず、2013年に上演した「チイサナソラ」のワンシーンを演じることにしました。

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6年近く前に上演して以来、触れることのなかった作品ですが、団員たちの記憶には強く刻み込まれているようで、どの役を誰が演じても、それぞれの特徴や表現したいニュアンスを存分に形にすることができていました。中には「ここの沈黙の意味が、今やっとわかりました」と、6年間の成長を感じさせる発言までありました。「きっと今演じたら、それぞれもう少し違った形で演じられそうですね」と、懐かしみつつ期待を膨らませるような声も多く聞かれました。何度か読み合わせるうちにどんどん過去の記憶がよみがえってきました。その中で「いつもここを読み間違えていたよね」というセリフが、時を経た今でも同様に間違えているという、実に興味深い現象もありました。

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今回限りのセッションだったので、あまり細かい演出が付くことはありませんでしたが、「セリフを発する時に動くか動かないかによる観客への印象の違い」に関する振り返りには、役者たちは興味津々でした。自分が演じたいように演じていると、どう見られているか、どう見せたいかという客観的な視点が抜け落ちてしまいがちです。具体的なシーンの例を基に振り替えることで、与えたい心理的な効果を考えた動作の構築がイメージしやすくなりました。問題はそれを演出から言われる前にすんなりと実行できるかどうかです。「夏の短編集」へ向かて、少しずつステップアップに努めています!

5月9日のてあとるみのりです。

Posted by theatreminori on 09.2019 稽古レポート
先週は活動拠点の事業所「ハートランドみのり」がお休みだったため、てあとるみのりの活動もお休みでした。そのため5月9日が、遅ればせながらの令和最初の活動ということになります。今さらのように「令和最初の」という表現を使ってしまいましたが、活動の際は団員の誰一人そんなことを口にも出さず、いつものように、先の予定を見越しながら集中して取り組んでいる印象でした。

午前中の制作部では第22回公演へ向けたグッズ開発と、8月の「萬劇場 夏の短編集」の宣伝活動のためのDM発送準備を行っています。この日はテーブルを二つに分けて、同時進行でそれぞれの作業を行いました。グッズ開発組は試作段階をクリアし、いよいよ実際の商品生産に踏み切っています。どうしても作っていると「とりあえずやってみる」という試作段階の心構えがちらついてしまうようでしたが、その都度「これはもう売り物だから、自信がないならできる人に頼んで!」という制作からの待ったがかかり、事故の発生を回避していました。これまでの和気あいあいムードを何となく継承しながらも、要所を締めて進行しています。



DM準備の方は、同封する直筆のお手紙の作成を中心に行いました。どんな内容を書くのか、入念に下書きと添削を行い、便せんに清書を行います。チラシの完成とチケット販売開始はまだでも、それ以外のあいさつ文、ご予約の案内などは作成可能です。時間にある程度余裕がある今のうちに進められるだけ進めていくことにしています。

午後の稽古では、まず5月の稽古スケジュールについての説明がありました。今月は色々な内容が予定されているので、どんな準備が必要なのかを含めて、全員で詳細を確認しました。夏の短編集に向けた稽古のスタートは5月30日(木)であることが発表されました。この日に脚本の配布、出演者の顔合わせが行われ、同時に物語の詳細や描くべきテーマなどの解説も行われることから、稽古の内容は非公開となる情報規制についても説明がありました。「いよいよ始まりますね」「やるぞっていう感じになってきました」と、団員の間には緊張感が広がっていました。

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この日の稽古では、試作された短い脚本の読み合わせを全員で行いました。上演される形態ではない物ですが、どの役者も熱心に担当した役を演じていました。夏の短編集には団員全員が出演できるわけではありません。しかし、自分が出演しないからと言ってカンケーないという姿勢ではいけません。てあとるみのりとして出演する以上、団員は皆等しく劇団の一員として公演に関わることになります。稽古では代役、衣装や小道具の準備など、複数の必要な役割が存在しています。そういったバックアップがあってこそ、舞台に立つ団員は充実した稽古の時間を迎えられるのです。支える心と感謝の心。双方がそんな思いを通わせ合うことで、初めて同じチームとして力を発揮できるのです。そんな思いを再確認してもらうためにも、この日は全員参加の短編脚本の読み合わせを実施したのです。

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そんなわけで、少しずつではありますが、公演へ向けた意識を高めながらの活動が続いています。果たして、今年の夏の短編集ではどんな物語を披露することになるのか?厳しくも楽しい稽古がもうすぐ始まります。

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