気が付けば11月最後の活動日。「ボーダーライン」の再演まであと2週間しかありません。制作部はもう少し先の公演を目指しての活動なので、それほど焦りはありませんが、稽古の方はどうにか仕上げなければ…という焦りが出てくる頃です。そんな11月29日の活動の様子を紹介しましょう。
制作部では編み物部隊が2月に予定されている第21回公演で販売するグッズ作りを熱心に進めている傍らで、12月の「ボーダーライン」でそんな2月の公演を宣伝するための横断幕作りが進められました。まずはどんな内容を記載しようかという話し合いから始まり、その情報を載せきるためのレイアウトを検討しました。そこから誰がどの部分を担当して作業するのかを決め、手分けをして進めました。横断幕といっても布を使うのではなく、模造紙をつないで横長の幕風にするので、誰でも文字を書き込むことができます。しかし、当然ながら文字を間違えることは許されず、携帯電話やタブレットで正確な漢字、レタリングの方法を確かめながら書き込む姿が目立ちました。その結果、今日の時点で書き込めなかった情報を除き、それぞれ担当した人の個性、出し合ったアイディアが反映された横断幕ができました。

午後の稽古はついに「ボーダーライン」出演者全員が揃いました。本番2週間前でありながら、最初で最後の全員集合かもしれません。だからこそこの機会を無駄にしないよう、全員が集中して稽古に臨んでいました。稽古はこれまで稽古に参加できていなかった役者の出演シーンを中心に進行しました。セリフの入りは個別の練習でもカバーできますので、さすがにこの段階で全然セリフが出てこないということはありませんでした。問題は演技の方向性や相手役とのコンビネーションです。特に方向性が限定されていない役では「どんな感じがいいですかね」「どっちもありですよね」と役者も自分のやり方に決め手を欠くようで、思いのほか苦労していました。この日の稽古ではそのあたりの方向性のブレを修正し、どんな感じでキャラクターを作っていくのかを絞り込みました。

ダンスシーンを含めたいくつかのシーンでは、実際に公演を行うホールの舞台の形状に合わせた動きや立ち位置の修正が行われました。井深大記念ホールは半円状のステージです。これまで当たり前のように舞台の前方をフル活用していましたが、舞台の前方に行けば行くほど狭くなる(正確には円状に前後関係を考慮すれば狭くはないのですが)というジレンマがあります。舞台の写真を見ながら、動作を変更する個所では役者と演出が意見交換しながら形を整えていきました。初めて立たせていただく舞台ですので、現地で合わせるだけではリスクがあります。稽古の段階でできる変更は、早めに取り組んで共有しておくことが得策なのです。

また、先週課題として挙げられていたシーンの確認も行われていました。1週間準備してきただけあって、今回はしっかりと中身が詰まった演技になっていました。演出からも「この感覚を大事にして、慣れてしまわないように」とのアドバイスがあり、役者側も「この演技を切り花にしてしまわないように頑張ります」と先週の振り返りを踏まえての意思表明がありました。

日本精神障害者リハビリテーション学会第26回東京大会サテライト企画内での特別公演「ボーダーライン」は、12月14日(金)15時15分から16時15分まで、早稲田大学国際会議場井深大記念ホールにて、入場料無料で上演されます。チケット発券もありませんので、ご予約も不要です。ご都合のよろしい方はぜひ足をお運びください!
先週末の「こころまつり」も無事に終了し、次は12月の日本精神障害者リハビリテーション学会で上演する「ボーダーライン」と2月の「演劇的な一日」と「第21回公演」へ向けての活動に集中していくことになりました。私たちにとって、とても忙しい日々が続いている2018年ですが、少しずつイベントや公演が終了し、カレンダー的にも終わりが見えてきました。

さて、そんなてあとるみのりの11月22日。まずは午前中の制作部です。こちらは引き続き第21回公演で販売を予定するグッズのアイディア検討と、すでにデザインが確定したアイテムの製造を行っています。何度か商品開発を行っていると団員たちの目も肥えてくるもので、試作品に対して「かわいい!」という表面的な感想だけではなく「これなら絶対売れますよ!」「原価はこのパーツを入れても〇〇円ぐらいに収まります」などという、商品としての意識付けの高さが感じられるディスカッションが行われていました。そういった審議を経て、実際に生産しようということが決まったアイテムは、さっそく製造作業に入っています。第21回公演の詳細がまだ明かされていないので、デザインやコンセプトを組みにくい商品もあるので、そちらは一時保留。まずは確定している商品を先行して作って行くことにしています。

午後は12月の「ボーダーライン」へ向けた稽古を行いました。特に力を入れたのがダンスシーンの仕上がりです。何度も踊っているダンスなので、振り付け自体に不安がある者はほとんどいません。しかし、慣れてきてしまったからこそ、細かい動きのタイミングや、ポーズの取り方がバラバラになってきてしまい(それぞれが自己流になるので)、全体の品質が低下してしまうことがあるのです。特に今回は大きな舞台で、特殊な照明を使えないというイベントにありがちな条件の中での上演です。近い距離が生む迫力だったり、照明による雰囲気などに助けられることはありません。役者たちの動きがすべての出来栄えを左右することになるのです。シンクロ率を高めておかないと、何度やってもできの悪い踊りになってしまうのです。全員でそんな意識を共有して、ダンスの特訓に臨んでいました。なかなか稽古に合流できない役者もいるので、整ってきた動きを録画して、共有できるようにしています。

たっぷり1時間半ダンスの練習を行った後は演技の稽古でした。冒頭のシーンから演じつつ、改善点がある箇所で演出を入れて、何度か繰り返して稽古を行いました。この日に演出から数多く出された言葉は「何を思ってこの言葉を発しているのか、登場人物が何を想像しているのかを役者が想像するように」という、いわゆる演技の根拠を持って演じることへのリクエストでした。繰り返して演じている脚本なので、一度そういった根拠を手にして、納得のいく演技の形が出来上がると、その形を再生することが目的になってしまい、中身が伴わない言動に終始する罠にはまってしまうのです。その現象を演出はこのように評しました。「その演技は花瓶に差した切り花で、一見きれいだが時間が経つと枯れるものだよ」「もっと言動の根拠、根っこがしっかりした演技をすれば、どんどん枝や葉が育っていくはずですよ」と。これはなかなかの名言ではないでしょうか。

稽古の最後は大乗優雅気合い入れのリーダーを務め「明日からもみんなで輝いていこうよ!」という名言を残しました。さらに稽古中にはある役者が「取り越し苦労」というセリフを「年越し苦労」と読み、年の瀬が迫っていることを実感させてくれました。芝居の面白さを堪能できる一日だったような気がします。来週の稽古は出演者全員がそろう予定です!楽しみです!
11月も半分が経過しました。朝晩の寒さが増す今日この頃ではありますが、劇団員は風邪もひかず元気に過ごしています。あと2日で「こころまつり」、あと1か月で「日本精神障害者リハビリテーション学会」と、出演するイベントが続きます。元気でなければやってられません!
午前中の制作部では、編み物系のグッズ作りに必要な毛糸の品定めと実際の購入に、数名の団員で出かけています。次回公演へ向けて開発が進んでいる商品を、より具体的にイメージしていく(あわよくば今日から作業に入る)ための行動です。実際にお店に足を運んでみると「これいい色ですね!」「この感じが欲しかった!」「この色合いで編むことは可能?」などと、現地での作戦会議が展開され、すぐに作業に入れるほどにイメージに合った商品を入手することができました。編み物班は帰着後、すぐに編み物に取り掛かっていました。
残った制作部の面々は、衣装や小道具の入っている箱を整理し、次のイベントで使用が確実な衣装をピックアップ、陰干しするという作業に取り掛かりました。「あの衣装って、捨ててなかったでしたっけ?」「これは…『2025』の時のですよ」「この時は客席で見ていただけだったけど、そばで見ると印象が違いますね」「どこかに入っていたと思うんだけれどなぁ」などという談義を交わしながら、衣装の整理は順調に進みました。箱の中に何が入っているのかを具体的にメモし、その紙を箱に貼って作業完了。これで次に必要なものをすぐに取り出すことができます。何しろ10箱を超える数がありますので、きちんと整理しておかないと大変なことになってしまうのです。
午後はまず、17日(土)に参加予定の「第23回こころまつり」についての申し送りと内容の確認、配役の分担、使用する衣装の確認などを行いました。てあとるみのりとしてこのイベントに参加するのは初めてのことです。ハートランドみのりとして参加したのも、10年以上前のこと。なかなか勝手がわからないイベントです。事前情報では小学生、親子が多いとのことなので、それを意識した内容を提供することが確認され、さっそく、大まかな流れの中で、観客の反応をイメージしながら練習を行いました。わずか15分間の出演とは言え、観客と一体になるような趣向のパフォーマンスはある意味体力勝負。どの出演者も熱心に体を動かして会場を盛り上げようとしていたため、「15分って長い…」「疲れた!」とへとへとでした。当日の展開はすべて会場の温度にかかっています。いわゆる即興の色合いが濃いパフォーマンスですが、全力で会場を盛り上げたいです。

そのあとは12月14日(金)に上演予定の「ボーダーライン」の稽古を行いました。この日は演出から「全部やろう!」という提案があり、冒頭からラストまでの通し稽古を行っています(代役を交えて)。学会のサテライト企画で組まれている時間枠は60分間。それを目指して脚本を調整していますが、それはあくまでも想定上のもの。実際に通し稽古を行うとどのぐらいかかるのか?所要タイムが気になってしまいます。結果は…カーテンコールを含めて57分。見事にイメージどおりでした。

通し稽古の後には演出から気になったシーン、改善すべき演技などの振り返りがありました。何か所か長さの調整で脚本を修正している箇所があり、何名かの役者はそのシーンで極端に演技の質を落としていました。熟練度が違うのは当然のことでしょうが、稽古に臨む前に少しでもそのギャップを埋めてくることが求められるはずです。どことなく「まだ1か月ある」という根拠のない安心感があるのでしょうか。この点は早急に改善しないといけません。

演技の中で感情があふれるあまり、飛び上がったり、転がり出す役者もいました。これまで型にはめたような演技が目立っていた団員でしたので、演出からはストレートに感情のまま、その場で体を使った表現ができたことはよかった(より感情がこもった演技になるという観点から)との振り返りがありました。あとは役者自身がこの感覚を大事にしながら、演出が整合性をコーディネートしていけばいいわけです。果たしてどんな仕上がりになるのでしょうか?

各イベントの詳細は以下のリンクからご確認ください!
第23回こころまつり日本精神障害者リハビリテーション学会第26回東京大会
東京は11月に入ってもあまり寒い日がなく、しかも時折雨が降るので極端に空気が乾燥しておらず、何となく過ごしやすい毎日が続いています。そんな11月8日(木)午前の制作部、午後の稽古の様子をお届けします!
まずは午前中の制作部です。先週に引き続き、第21回公演で販売するグッズのアイディアを出し合っています。この日は都合により参加できなかった団員も、事前にメールで案を提案していたので、様々なアイディアが交流する話し合いになりました。さらに、毎公演恒例になりつつある、来場者へのサプライズプレゼント企画についても話し合いが行われました。まだ脚本の内容が決まっていませんが、何となく大きなテーマで考えて、紙で作った試作品を持ち込む団員もいました。早い段階から具体的な造形まで提示してもらえると、議論も深まり、公演までにはかなりの品質(ユニークなアイディア)に到達することができます。今回は期待できそうですよ!
午後の稽古では12月14日(金)公演予定の「ボーダーライン」の脚本の再編集版が配布されました。先週の稽古でも一度脚本が渡されていますが、少し時間がイベントで割り振られた枠から超過していたことと、一部のキャストに変更があったこともあり、この1週間でさらに改編がなされたからです。どこがどう変わったのか?これまで「ボーダーライン」を何度も演じている団員達も興味津々でした。

早速これまでの脚本との違いに留意しながら、全体で読み合わせを行いました。読み合わせといっても、さすがに何度か上演している演目だけあって、実際の動きやダンスも交えての、ほぼ通し稽古のような状態でした。途中である役者が手にしていた脚本を落としてしまい、その拍子で脚本がバラバラになり、床に散乱するというアクシデントが発生しましたが、誰も芝居を止めることなく(思わず笑ってしまう状況でしたが)何とか物語を進行させていました。脚本を散乱させてしまった役者本人は、唐突なアドリブで相手役に向かって「何をする!」とクレームをつけていました。念を押しておきたい事実としては、脚本を落としたのは相手役のせいではないということです。周囲は大笑い。本人は相当混乱していたのでしょう。

通して演じてみると、想定していた長さにピッタリ収まっていました。物語を随所で短くしたことによって内容が薄まることはなく、密度がより濃くなったことで面白さが増加していました。演じた本人たちも「コンパクトになっていてわかりやすいですね」「でもちゃんと響くところは響きますね」「テンポがよくなりました」「あっという間に感じました」などと、手応えを感じていました。あとは演技の質を高めて、凝縮された脚本の魅力を引き立たせることです。残りの稽古回数も少ないので、気を引き締めて臨んでいくことを確認し合いました。

これで「ボーダーライン」は2017年に初上演した際の80分サイズ、その後にイベントで披露した45分サイズ、さらに70分サイズに加えて60分サイズがラインナップされたことになります。皆様から多くのリクエストを頂いているからこそ、これだけのバリエーションを有する、まさにてあとるみのりの代表作として育ってきました。皆様に育てていただいた作品に、それぞれの思いを込めて、12月14日(金)の舞台を精一杯演じ切ります!是非、日本精神障害者リハビリテーション学会の東京大会サテライト企画に足をお運びください!入場無料です!
学会の詳細は→
こちら
気が付けば11月です。「こころまつり」「ボーダーライン」がすぐそこに迫っているだけではなく、その先には第21回公演も待っています。「案外時間がないですね」と再認識しながらも、今年のハードなスケジュール進行の中では、何となくまだまだ大丈夫という気持ちになってしまいます。慣れとは恐ろしいものです。その慣れが油断やマンネリにならないように、しっかりと一歩一歩進めていくしかありません。
制作部では第21回公演で販売するグッズの案について検討が行われました。まだ具体的な演目が決まっていないので、細かい商品のデザインやコンセプトまでは話し合えませんでしたが、前回好評だったグッズをさらに良くすることをベースに話し合いを進めました。また、前回は直前まで開発を進めながらも、残念ながら没になった案もありましたので、今回はさらにグレードを上げて実際にラインナップされることを目指すための、意見交換も行われました。

話し合いの中で、原材料に剪定した木の枝を使ってはどうかという驚きの提案もありました。十分に乾燥させていない木の枝を使うと虫が出たり腐ってしまう恐れがあるという周囲の意見で却下されています。冷静に考えると奇想天外なアイディアですが、こういった大胆な提案から、思いがけない名作が生まれる場合もあります。そのための話し合いの場なので、どんどん突飛な意見を出し合ってもらいたいです。
午後の稽古は12月14日(金)に再演される予定の「ボーダーライン(Satellite)」の脚本読み合わせと、劇中に登場してくるダンスの振り付けの確認を行いました。セリフ、動き、ダンス共に約半年ぶりの実践となりましたが、さすがに何度か繰り返している舞台だけあってどの役者もスムーズに演じていました。

全員が稽古に参加できたわけではないので、代役を臨機応変に交えての読み合わせでした。さっきまで自分の役をやっていた人が、すぐにその相手役の相手役を演じたり、ひとつの役を数人で受け渡しながら演じたり、てあとるみのりならではの対応力で冒頭からラストシーンまで演じ切りました。途中ではつい気が抜けてしまったのか、相手に呼び止められるセリフに対して、完全に普段の自分の心理状態で「あ、はい」と応じてしまう一コマもあり、笑いを耐えながら乗り越えた個所もありました。そんな雰囲気の中で「ボーダーライン」を懐かしみつつも、自分の感覚として物語と役を再生していく作業は、ある種の熟練の領域を感じさせてくれました。

ダンスの練習では少しだけ「あれ?忘れてる?」というパートがありながらも、すぐに記憶と感覚が取り戻され、ほとんど全員が振り付け通りのダンスを踊れるようになっていました。「あとは手の動きのタイミングをみんなで合わせる練習ですね」「カウントよりも歌詞に合わせた方がいいですね」などなど、すでに細かい練習をにらんだ意見交換がなされていました。

今週はひたすら「ボーダーライン」でしたが、11月17日(土)には「
第23回こころまつり」への参加も控えています。こちらはわずか15分間の幕間パフォーマンスになります。とは言え、何の準備もしないで臨めるはずもなく、少し実践的な練習をしておかなければいけませんので、次週からはその動きも入ってくる予定です。2月へ向けて、マルチに活動していきます!
「第23回こころまつり」の詳細は→
こちら!