第20回公演「Stationファンタジー」も無事に終了し、先週迎えていた公演が嘘のように穏やかな日々を過ごしている劇団員たち。この日は公演とその打ち上げ後初の活動となりました。
午前中の制作部では、今回取り組んだグッズ作りや宣伝活動に関する振り返りが行われました。特にグッズ開発と製造、販売の話題の中では、目標以上の数字を達成できたことへの安ど感や達成感が多く語られました。特に大女優を中心として手編みで生産されたジョッピーポーチの品質と、それに比例した売り上げについては全員から称賛の声が上がっていました。もちろん、よかったね、で終わるわけではなく、「じゃあ、次はこんな形にしたら用途が広がるんじゃないか?」「あの編み方もよかったよ」「色合いも考えてみよう」などと、様々な改善案が議論されました。
完売のキャラクターが出るほどの人気だったキャラクターしおりに関しても、よりキャラクターを表現する幅を広げるための改善案を模索することが確認されました。生産コストを抑えながら品質を改善するには、技術、表現力を向上させるのが最も効率的です。今回売れたことで満足せず、さらに誰もが満足できる品質に高めようとする努力は、モノを創る人間にとっては不可欠な要素です。成功の後に手を抜くのではなく手を加える。この心意気が制作部には浸透しているようでした。
午後の稽古時間は「Stationファンタジー」の動画を鑑賞しました。録画されていたのは18日(木)19時からの回。スケジュールの中では初日の公演です。「初っ端のやつか…」「あの時って何か間違えたときじゃなかったっけ?」「どんな風に(映像に)残ってるんだろう?」「うわ~どうしよう!」と、上映開始前から本番の時以上に緊張感でざわつく劇団員たち。しかし、上映が始まると緊張というよりは、一人の観客として自分たちの演技を客観的に楽しんでいるようでした。
「うわ!ここで噛む?」「あ~!やっちゃった!」「いい味出してるね~」「あれ?聞こえなくない?」といった笑いながらの反応の中にも「自分では声が(観客に)届いているだろうと思っていたけれど、こうしてみるとまだまだ足りないということが分かった」「気持ちと言葉と動作の連動が必要だって(演出に)言われていたけれど、自分でその意味がよく分かった」などの振り返りがありました。また、「これは初日だったから、まだこうやって演じてるけれど、最後はもっと良くなっていたよね」「あの千穐楽の品質を最初に出せるようにしないとだね」と、全体の品質の未成熟さに対する言葉も多く聞かれました。この意識が次の公演に取り組む際の意識の違いにつながってくるはずです。
それぞれが自分のできていた部分、できていなかった部分を客観的に見つめ直す機会になったこの日の動画鑑賞会。最後には今年度のスケジュールを確認し、どのような内容で展開していこうかという話も交わされました。こんな作品をやってみたい、こんな上演形式ならどうだろう、こんな役がいい、再演するならこれがいい…。それぞれが自由に夢を語るような表情で、ワクワクしながら次の舞台のイメージを描いていました。
来週からは12月14日(金)に日本精神障害者リハビリテーション学会内で上演する「ボーダーライン」の稽古に入ります。休む間もなく次の舞台。しかし、求められて舞台を上演できる機会など、そうそう簡単に訪れるものではありません。ひとつひとつのチャレンジが、自分の成長につながっていることを改めて実感しながら、稽古に備える劇団員たちでした。
10月18日(木)から10月21日(日)まで北池袋新生館シアターで行われた、10周年20回記念の公演「Stationファンタジー」が、多くのお客様のご来場に支えられ、無事に終了いたしました。本当にありがとうございました!
18日(木)と19日(金)の3ステージでは、急遽1名の団員が出演できなくなった影響で総監督自ら代役を演じるというアクシデントがありました。さらに20日(土)の夜の回では、雷の影響(と思われる)で上演中に停電するというものすごいアクシデントがありました。暗闇の中で総監督と主役の城元菜那がライトで自らの顔を照らしながら場をつなぐという、とても稀な時間をお客様と共有しました。いずれのアクシデントも、お客様には大変なご迷惑をおかけいたしましたが、それでも温かいお言葉や拍手を頂戴できましたことに、大きな感謝の念を抱いております。まさに「感謝の極み」でございます。
また、多くのお客様にアンケートへのご協力をいただきましたことも感謝いたします。劇団のデータ分析担当者が各項目の統計を行い、次回公演への資料とさせていただきます。
役者から半ば強引な売り込みのあったグッズについても、快く(?)お買い上げ下さり、重ね重ね感謝申し上げます。グッズを開発した担当者にとって、大きな励みとなりました。
全6ステージで200名を超えるお客様のご来場があり、10周年・20回を記念した今回の公演は大変な盛り上がりとなりました。お客様からのご期待に比例して、役者の演技も日に日に進化し、全員がこの公演期間で大きな成長を遂げることができました。音響と照明もステージごとに微調整を重ね、少しでも良いタイミングや質感を表現しようと工夫していました。プロの芸能事務所からの参加となった役者3名も、てあとるみのりの劇団員と全く同じ立場で、稽古期間から真剣に物語と自分の役に向き合い、とても熱心に取り組んでいました。その姿が元来の劇団員たちにとって「プロの人でもあれだけやっているんだから、自分達なんかはもっとやらないといけないんだ」と大きな刺激になり、お互いに演技を高め合う効果を発揮していました。役者・裏方・お客様のすべての力がひとつになって、今回の舞台が成立したことは、まぎれもない事実です。すべての関係者に感謝の言葉を届けます。誠にありがとうございました。
てあとるみのり、次回公演は12月14日(金)日本精神障害者リハビリテーション学会のサテライト企画内で「ボーダーライン」の上演を予定しております。会場は早稲田大学国際会議場の井深大記念ホールです。2019年2月には南大塚地域文化創造館主催の演劇イベントに参加します。そして2月21日(木)~24日(日)には第21回公演を北池袋新生館シアターにて上演する予定となっております。ひとつの公演が終わりましたが、すぐに新しい公演への動きが始まります。皆様に少しでもお楽しみいただけるような作品をお届けする意気込みで、劇団員一同精進を重ねてまいりますので、今後ともてあとるみのりをどうぞよろしくお願い致します!
チケットご予約 は→ここをクリック! VIDEO てあとるみのり第20回公演「Stationファンタジー」 ~新作「Station」と再演「FFファンタジー」の2本立て!~
<上演期間>
2018年10月18日(木)~10月21日(日)
<上演会場>
北池袋 新生館シアター (東武東上線北池袋駅から徒歩30秒)
<上演日程詳細と残券情報>
※10月17日(水)23時更新 ①10月18日(木) 19時開演 残券△
②10月19日(金) 14時開演 残券〇
③10月19日(金) 19時開演 残券〇
④10月20日(土) 14時開演 残券△
⑤10月20日(土) 18時開演 残券△
⑥10月21日(日) 14時開演
残券× 完売しました ※開場時刻は開演時刻の30分前です
※上演時間は同時上演も含めて90~100分の予定です
※残券表示…◎余裕あり 〇半分ほど △残り少ない ×売り切れ
★前売り券が完売した回はご予約のお客様のキャンセルがあった場合当日券を発券する予定です <チケット価格>
1名様 1,500円(「Station」と「FFファンタジー」の2作品をご覧いただけます)
チケットご予約専用フォーム は→こちら <あらすじ>
多くの人が行き交う駅。先を急ぐ者、歩みを止める者、誰かを待つ者、どこへ向かうか迷っている者など、様々な人間模様が交錯する駅。それぞれの思いを胸に秘めた者たちが、すれ違うことなくほんの少しだけその思いを重ねたとき、駅は何かを教えてくれる。自分はどこへ向かっているのかと問いかけてくれる。目を凝らし、耳を傾ければ、きっと。
多様な人間の生きざまに向き合うことで何かに気付ける、ありふれているようで、ちょっと不思議な物語。オンラインゲームと現実世界の「Face to Face」を描き、萬劇場ショートストーリーコレクションで高い評価を得た「FFファンタジー」も同時上演。20回公演を記念したお楽しみ(ちょっと脱線)要素を増量してお届けします!
<脚本・演出・総監督>
椙田佳生
<出演>
「Station」
城元菜那(芸能事務所ウルル・プロ)
長嶋怜未
中泉けい子
田中聡
佐伯恵太(芸能事務所ウルル・プロ)
玄尚叶(芸能事務所ウルル・プロ)
岩崎和巳
川口和恵
村上栞
満園仁美
吉川真人
「FFファンタジー」
佐伯恵太(芸能事務所ウルル・プロ)
村上栞
満園仁美
石塚美穂
岩崎和巳
田中聡
<照明>
中山信之(劇団GIFT)
<音響>
高橋祐紀乃(劇団GIFT)
公演に関する詳細、チケット残券情報などは随時各種サイトで発信してまいります。ご期待ください!
<各種リンク>
総監督Twitter てあとるみのりFacebookページ てあとるみのりホームページ 芸能事務所ウルル・プロ 劇団GIFT
さあ、いよいよ第20回公演「Stationファンタジー」上演まで1週間となりました!本格的な活動日はこの日が最後。全てにおいて仕上がりが求められる一日となりました。
制作部では何と言ってもグッズです。この日で予定されている商品を仕上げなければ販売が間に合いません。制作部に参加した団員は必死になってそれぞれのグッズの仕上げに取り組みました。複数の種類、工程を手分けして進めたことで、何とか活動時間内に予定していた数量を完成させることができました。あとは会場で販売するだけです!詳しいグッズのラインナップは、
てあとるみのりFacebookページ にて写真付きで公開されていますので、そちらをご参照ください!
午後から夜21時まで開催された稽古では「Station」「FFファンタジー」それぞれの通し稽古が行われました。ここまでくると個人への細かい振り返りはほとんどなく、全体をまとめるにあたって必要な修正、主に登場や退場のタイミングや相手とのコンビネーションに関する指摘が多くなります。もちろん、セリフのミスや、つながりがスムーズではない部分も散見されますが、これらは役者自身が気付いて当たり前の事なので、演出から具体的な指摘や改善方法のアナウンスはありませんでした。
新作「Station」では、今でも同じ個所でのセリフの間違い(しかも逆の意味のことを口走ってしまう!)に悩む役者がいました。「不安定だから脚本を手元に置いて演じていいか」との申し出もありましたが、演出は「本番は手元に置けないのだから、今置いても意味がないのでは?」と、遠回しにこの提案を拒否していました。当然といえば当然のことです。ただ、どうしても失敗してしまうことへの重圧が、役者にこのような提案をさせたのかもしれません。それだけ全体がお互いを高め合うような循環ができているということでしょう。重圧に負けずに、自分も周囲と同じように頑張ろうという選択に落ち着いてくれることを祈るばかりです。
この日の稽古の中で、これまでのキャラクターの雰囲気をさらに進化させる役者も複数確認できました。個人の解釈やチャレンジで行ったことかもしれないのですが、これが演技のコンビネーションの中でよい相互関係を生み、相手役や周囲の役の雰囲気までよい方向に変化させていました。こういった柔軟なアクションが発生することは、てあとるみのりがセリフや段取りだけを重視せず、その場で起こった生の感覚を生かそうとした取り組みを重ねてきた賜物なのかもしれません。舞台は生ものであるという言葉がとてもしっくりきます。
夜には「FFファンタジー」の通し稽古を実施しました。もともとドラマチックな作品でしたが、公演まであとわずかとなり主役の2名のボルテージはグングン上がっていました。「つい崩れ落ちそうになりました。立っていられなかったです」「かなり素直に感情を出せたと思います」など、該当する役者たちはそれぞれの手応えを得ていました。この日のアツい演技は、気持ちが上がり過ぎた部分を演出から制御するようにと指示されるほどで、演者の率直な気持ちの乗った演技と、作品全体としての意図を持ったコーディネートのバランスに整合性を持たせることの難しさを実感する稽古でした。もちろん、こういったバランスを意識して表現することが、役者というアーティストの仕事でもあります。単に湧き上がってくる感情に任せて好き放題演じるということでは、それを役職あるいは職業として名乗ることはできません。常に熱く燃える魂の自分と、それを冷静に見つめて制御する自分を共存させてこそ、芸術性のある演者となれるのです。
この日の2本の通し稽古には「劇団GIFT」の中山さんと高橋さんがそれぞれ照明と音響で参加しています。通し稽古の合間には演出とそれぞれのイメージやタイミングについて細かいディスカッションが行われました。照明のタイミングや糸については直接役者とコミュニケーションをとって意識の共有を図るシーンもありました。公演直前となって、いよいよ様々な要素がひとつに収束しようとしています。この不思議なエネルギーの高まりを、全員が素直に受け止め、己の成すべきことに反映させていってこそ、みんなが心地よく楽しめる舞台になるのでしょう。いよいよ、残す稽古は2回です!最後まで全員で高め合っていきます!
第20回公演「Stationファンタジー」の詳細とご予約はこちら↓
公演・チケット情報特設ページ 本日までに行われた特別稽古の紹介はこちら!
10月に入り「公演まであと2週間だ!」という実感が強くなってきました。まだまだ仕上がっていないセクションが複数存在するので、それらをしっかりと仕上げていくことが先決です。もちろん、その品質を落とさず、しっかりと創り上げていく必要があります。徐々にではありますが、団員の表情や態度から、より一層の真剣みが感じられるようになりました。
午前中の制作部ではひたすらグッズ作りに取り組みました。プラ板アイテム、キャラクターしおり、トートバッグという定番アイテムの他に、20日(土)に予定されている来場者プレゼントの製造も進みました。グッズの中には数量多く生産する必要があるものもあり、この段階で間に合いそうにないと思われる物は何名かで手分けして持ち帰ったり、活動時間終了後に居残りで作業したりしてペースの調整を行いました。午後の稽古中に手の空いた役者も、グッズ作りに関わるほどでした。とにかく複数のアイテム製造作業が同時進行で、しかも時と場所を超えて分業されている混沌とした状況でした。この追い込みで、必ず公演には品質を存分に保った状態の新しいグッズ各種をラインナップしてみせます!お楽しみに!
午後はまず「Station」のシーンごとに稽古を行いました。大女優こと川口和恵が出演するシーンの練習では、大女優自ら自分の演技を振り返り「うまく言えた!」「1個ダメだったね!」と、まだ他の役者が演じているにも関わらず、大きな声で演出にアピールしていました。実際の演出振り返りになると「じゃ」と勝手にトイレへ行くという展開はまさに大女優の風格でした(誰も逆らえません…)。大女優は自分の出番が無事に終わると、セリフのチェックはもちろんのこと、自分が担当しているグッズの仕上げ作業も行っていました。とにかく稽古の終わりまでお元気でした。
先週の稽古で演出から演技の改善点を提案されていた役者たちは、それぞれが準備してきた演じ方を稽古で披露し、さらなる質の向上を求めていました。演出から「なぜそのようにしているのか?」「この言葉を受けた時にどんな気持ちなのか?」といった質問(確認)が投げかけられるだけではなく、役者からも「ここで座るという感じではなく、立ったままになってしまった」「気持ちとしては抑えられないで相手にぶつけてみたいと思った」「(相手役に)もっとどんどん来てください」などと、演技に対する振り返りや要求が出されていました。お互いが見ていて感じたこと、演じていて感じたことを風通し良く共有し、その融合点を見出す作業が続きました。決して一方的ではなく、相互に関わり合う建設的な稽古こそ、てあとるみのりの特徴なのです。
休憩を挟んで「FFファンタジー」の稽古に入りました。今月から追加の稽古日程も機能し始めています。一昨日に実施した「FFファンタジー」の稽古を踏まえて、冒頭のシーンから何度か演出や演技の方向性を確認しながらラストまで、全てのシーンを稽古しました。再演作ということで、ある程度演技が板についている役者がほとんどですが、それでもさらによくしようと努力を重ね、演出からの要求に応じるだけではなく、自分で「こうした方がそれらしく見えるはずだ」「観客がこっちにいるわけだから、右腕を使った方がよく見える」といったように、演技の仕方を編み出し、改善してくる姿が印象的でした。
もちろん、新たにパーティーに加わった役者にとっては、日々の稽古が重要な模索の場になっています。自分で考えてきたプラン、演出からのオーダー、それを実践してみて感じたことを振り返り、最終的にどう演じるべきかを必死に確かめようとしていました。演出からもこの物語で描き出すべきもの、観客と共有したい感情というテーマ性であったり、ひとつの人物がやり取りを重ねる中での整合性に関するディスカッションが多く提示されていました。30分間の短い物語の中で、ここまで深められるものなのかと驚いてしまうほど、様々な角度や深さでの解釈が編みこまれていきました。役者個人だけではなく、物語全体が確実に成長しているのがわかりました。これは萬劇場バージョンを超える仕上がりになりそうです。期待できますよ!
いいよあと2週間で初日を迎えるてあとるみのり第20回公演「Stationファンタジー」。雰囲気の異なった2作品を一気にお楽しみいただける、大変お得な公演です。ご覧いただいた皆様には、明日の自分が少しでも変わるような、前向きな力をお持ち帰りいただきたいです。そんな力を引き出せるような作品を目指して、残り僅かの準備期間を突っ走ります!