この日、いよいよ「
Station」の脚本が完成し、団員に配布されました。もちろん今日がその日であることは全員がわかっていましたので、朝からどことなく落ち着かない空気の中での活動となりました。毎度のことながら、例えようのない緊張感が場を支配するのです。
そんな8月30日の午前。制作部では9月16日(日)に木場公園で開催される「アースキャラバン2018東京」のためのグッズ作りが最優先で行われました。先週までにデザインが決定していたグッズを、実際に製造する作業です。これまでの経験があったおかげで、団員たちは手際よく作業を進めました。今までに比べて細かいデザインのものが目につきました。これも経験による進化でしょうか。詳細は近日中に発表いたします。

午後はいよいよ「
Station」の稽古です。そしてこの日は、第20回公演に参加して下さる外部団体の方が集まる日でもありました。まさに公演へ向けて始動の一日となりました。特に「
Station」と同時上演になる「
FFファンタジー」の勇者役(夏の短編集公演で演じた山口将太朗くんが出演できないため二代目勇者を募集していた)に注目が集まりました。団員にも誰が引き受けてくれたのか秘密にしていたのですから、気になって当然でしょう。今回そんな勇者役を担当するのが、これまでの
てあとるみのりにも様々なスタイルで関わって下さっていた、芸能事務所ウルル・プロ所属の佐伯恵太さんです。どんな勇者に仕上がるのか、期待が膨らみます。

「
Station」にはウルル・プロから、城元さん、玄さんという二名も出演します(お二人は初出演です)。そして、この日は都合により不参加でしたが、前作「影の舞台」でラビットエンジェルのツカサ役を演じた長島さんも出演します。もちろん、レギュラー劇団員も、これまでの経歴を生かした役や、新しい雰囲気の役に挑むことになります。既に稽古初日となった稽古場の雰囲気は、和気あいあいとしつつも互いの個性を認め合い、評価し合えるような、温もりのある雰囲気が出来上がっていました。シンプルな構造ながらも奥深い物語「
Station」。どんなセッションになるのか、とても楽しみです。

気になる
チケット販売開始は9月1日を予定しています。まずはWebからのご予約をスタートさせるつもりです。2本立てでもお値段据え置きの1,500円。収益を第一に考えるのではなく、少しでも多くのお客様に足を運んでいただきたいという総監督の願いが、今回もこの価格を実現しています。

今回は照明と音響にも、初めて加わる方がいます。劇団GIFTの中山さんと高橋さんです。音響のソフトを提供して下さったことから、互いの公演に足を運ぶようになったという、急激に深まった関係でありながらも、心よくご支援いただけることには感謝の言葉が尽きません。感謝の言葉だけではお届けしきれないこの思いを、みんなで創る面白い舞台で還元できるように頑張りたいです。

結成から
10周年を経過し、主催公演としては20回目を数えることになった
てあとるみのり。この記念すべき公演は前代未聞の2本立て。新作「
Station」にはほぼ全員が参加して、過去のキャラクターのネタやら、役者・劇団の特徴をアピールするような構造が満載です。記念公演としてパーティー仕様の強い作風になっているといえます。一方の「
FFファンタジー」は、
てあとるみのりらしさが、舞台の本質的な部分に凝縮された作品です。このように雰囲気の異なった作品を同時にお楽しみいただける第20回公演。10月18日(木)~21日(日)まで、北池袋
新生館シアターにて上演されます。ぜひ、ご来場くださいませ。
先週は夏休みで活動がお休みでしたが、本日8月23日(木)は元気に活動を行いました。大きく体調を崩す劇団員もおらず、レギュラー団員は全員集合しました。
午前中の制作部では9月16日(日)に参加する「
アースキャラバン2018東京」で販売予定のグッズ作りに力を入れました。これまではラフ案が多かった話し合いも、実際に試作してきたものを持ち寄っての具体的な検討になり、そこで採用されたデザインはさっそく製造に取り掛かるというスピード感で進行しています。
アースキャラバン当日まではあまり活動日数がないので、このような進行も当然かもしれません。今の段階ではデザインを公開できませんが、どのデザインも
アースキャラバンのテーマを色濃く反映させた、イベント限定の作品ばかりです。「かわいいですね」「思ったよりカラフルでいい感じ」「それぞれのデザインに個性があっていいね」と、みんなで自画自賛しながら作業を行いました。
午後の稽古に入る前に、13時から床掃除を行いました。稽古でよく使っているフロアは、衣装の靴や小道具によって黒っぽい汚れが付着しています。日頃お世話になっていることへの感謝を込めながら、この汚れをきれいにしていく作業です。重曹を含ませた雑巾で磨いていくと「あ!(汚れが)落ちた!」「きれいになりましたね」と、手応えも十分でした。

掃除の後には、
アースキャラバングッズの進捗確認、今年のイベント参加計画の確認、第20回公演のサンk者募集状況の報告などの事務連絡が行われました。外部からの参加者が充実してきていることについて「ありがたいことですね」と、団員一同でありがたみを噛み締めました。
その後の稽古では、第20回公演「
Station」の配役(役そのものの設定)、物語の展開を大きく左右する、オーディション形式の試作脚本読みが行われました。抜粋されたシーンごとの登場人物を、入れ代わり立ち代わり演じて、役者の個性と役とのマッチングや、新たな表現の可能性を探る時間でした。本決まりの脚本でも配役でもないので、時には普段の自分ではなかなか演じる機会が少ないような役柄に挑戦したり、周囲のリクエストに応えて演じてみたりと、それぞれ楽しみながら取り組んでいました。

面白いシーンやセリフには、見ている団員から大笑いが起こり、全体を見てからは「やっぱり〇〇さんはこういう役がピッタリですね」「この組み合わせはいいですね」「横向きになったときの表情とか、さすがです」といった振り返りが自然に発生していました。ただ面白く演じ合ったというわけではなく、自分の演技の参考にしようとしたり、相手のいい所をより伸ばそうとするような相互関係が出来上がっていました。こうなってくると脚本や配役の決定が楽しみです。

現在、第20回公演への参加者が続々と決定しています。間もなく詳細をお伝えできるはずです。チケットの販売開始へも着々と準備を進めています。諸々、どうぞお楽しみに!
お待たせいたしました!
てあとるみのり第20回公演に関する情報を一部公開いたします。
てあとるみのり第20回公演「Station」脚本・演出 椙田佳生

<上演日程> 2018年10月18日(木)~21日(金)
<上演会場> 北池袋
新生館シアターなんと、今回の公演では、先日「
萬劇場ショートストーリーコレクション」でワンステージのみ公演させていただいた「
FFファンタジー」を、前代未聞の同時上演いたします。あの「Face to Face」テーマの短編を見逃してしまった方も、もう一度見たい方も、ぜひご期待ください!
フライヤーの配布、チケット販売開始は9月を予定しております。今しばらくお待ちください。
そして、新作「Station」への出演者は現在も募集中です。何名様でも、通行人役でも構いません。
てあとるみのりの記念すべき第20回公演を、ぜひご一緒に楽しみましょう!
※参加者募集の内容、上演に関する情報の一部は予告なく変更される場合がありますことを予めご了承ください!
台風13号が関東地方に接近し、無事に活動できるかどうか不安視されていましたが、幸いにも東京はほとんど影響がなく、8月9日(木)は通常通りの活動を実施できました。
午前中の制作部では、9月に参加予定のイベント「
アースキャラバン」で販売するためのグッズ案検討が行われました。昨年製造したデザインを振り返りながら「これは今年も出そう」「この色の組み合わせが
アースキャラバン限定っぽくっていいよね」「ジョッピーのこのポーズを取り入れたら売れると思う」などと、具体的な意見交換が行われ、いくつかの試作品を持ち寄る事が決定しました。その先に20回公演も控えているので、グッズのデザインの差別化であったり、流用可能なものの見極めも意識して話し合いを進めています。
午後には外部団体の見学兼取材がありました。メインの取材は演劇とは直接関係がありませんでしたが、団員たちは生き生きとした表情で自分の体験や思っていることを語っていました。時折脱線しつつも、とても楽しそうでした。取材に来られた方には、その後の稽古も見学していただきました。障がいがありながらも演劇に取り組んでいる団員の姿を直接ご覧いただくことで、何かの企画の役に立てるのであれば、私たちにとってもうれしいことです。

稽古では「何やんの?脚本はまだないんでしょ?即興やる?」という大女優の一言から、実際に即興のセッションを行うことになりました。場面はとある演劇部。演目は決まっていて配役を決める話、廃部の危機にある演劇部の話、全国大会に出場決定したが部員が1名転校してしまいどうしようという話と、それぞれにテーマを設定しての即興でした。どのセッションでも部長と顧問の先生役だけ決めて、あとはどんな部員のなのか出たとこ勝負。やる気のある生徒や超まじめな生徒、演劇大好きな生徒など、様々な組み合わせが成立しました。

以前は即興演劇を行うと、セリフが止まってしまう空白の時間があったり、特定の役者ばかりが物語を進行していたりというバランスの悪さが目立ちましたが、この日の即興劇は誰一人芝居を止めている人もおらず、常に何かのドラマが動いているライブ感が伝わってきました。これこそお芝居の醍醐味です。当然ながら見ていてもとても楽しめるセッションでした。

振り返りでは、この芝居の感触を大切にすることが共有されました。即興では常に「相手が何を言ってくるのか?」「この状況で話を展開するにはどんな意見を出すべきか?」「相手の性格を考えると自分はこんな態度をすべきではないか?」「この話題だったらこの人に賛同しよう」「この人と対立するなら距離を取るべき」などと考えながら言葉を発したり行動しています。だからこそ行動や態度からもその人の考えや立場が垣間見え、そこにセリフだけではない深いドラマを感じるわけです。実際に脚本がある芝居を演じるうえでも、こういった生の感覚、新鮮な心の流れを再現しなければいけないということです。それができないと、ただセリフにとらわれただけの芝居になってしまうというわけです。セリフにこだわることは重要です。しかし、セリフにとらわれてはいけません。この矛盾した目的を絶妙のバランスで表現することも、役者に求められているスキルであり、また、永遠の目標でもあるのでしょう。

来週はいわゆる夏休み期間となるため、
てあとるみのりの活動もお休みです。少し間が空いて次回は23日(木)の活動です。このころには第20回公演の詳細もお伝えできるはずですのでお楽しみに!
7月28日(土)に
萬劇場で上演された「
FFファンタジー」も無事に終了し、今週からいつもの木曜日の活動が始まっています。天候が悪い中、多くのお客様にご来場賜り、劇団員一同心より御礼申し上げます。また、今回創設された「地元枠」へご推薦下さった地元大塚の町会の皆様、何よりもこの祭典を主催・運営くださいました
萬劇場の皆様にも、重ねて御礼申し上げます。


普段我々は、もう少し小さな劇場を中心に公演を行っています。
萬劇場のような立派な劇場の舞台に立てることだけでも大変なことなのに、さらに、他の参加団体の皆様は錚々たる顔ぶれです。この状況で肩の力を抜いて、いつも通りにやることなど不可能と言っても過言でありませんでした。出場が決まり、稽古が始まった頃には、まだ全員がそのような事の重大さを感じていませんでした。しかし、実際に現地での通し稽古、リハーサルが始まると、劇団員全員が「とんでもない場に来てしまった」「しっかりやらないと!」といった重圧を共有するようになりました。今まで自分ではやっているつもりでもできていなかったこと、それを他の団体の方々が当たり前のように実行している姿に間近で接することで、まだまだやるべきことがある、あきらめてはいけない、できないことではなくてやらなくてはいけないことなのだと、己の取り組みの質と量双方を振り返る機会になりました。この意識の変化、とても良い刺激を受けることができた点が、今回のイベントに参加させていただいての最大の収穫だったと感じます。
週が明けて2日(木)の活動では、参加した劇団員から、まさに上記のような意識の変化を実感する言葉が多く聞かれました。同時に、初めての舞台でたった1度の上演だったこともあり、自分が分からなくなるほど緊張していたという振り返りもありました。実際、楽屋から撤収する際に起こったちょっとしたハプニングについて振り返っても「そんなことありましたか?」と完全に記憶にない団員もいたぐらいです。それゆえに「自分がイメージしていたこと、稽古でやってきたことがあまり出せていなかった」という悔いが残っていたようです。そんな悔しさが次の舞台につながると同時に、そんな極限状態の中でも第三者から及第点を頂けるようなパフォーマンスを示せたことには自信を得ることができました。この二つの思いを胸に、第20回公演は再び劇団員が一丸となって挑みます。どうぞこれからも、
てあとるみのりをよろしくお願いします!