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ハートランドチャレンジFES’18 in
南大塚ホール」の開催が目前に迫った5月10日(木)。今回は物販もなく、チケット管理もイベント運営側なので、制作部で煮詰めなければいけない作業もなく、午前中の制作部の時間から夜まで、とにかく稽古の時間となりました。
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ハートランドチャレンジFES」は5月12日(土)、JR大塚駅南口から徒歩5分の
南大塚ホールを会場に13時から第1部(
てあとるみのり出演)、15時45分から第2部(寺田農さん出演)が行われます。チケットはまだまだ余裕あります。当日精算でのご予約も引き続き承っております。もちろん、当日券のご利用でも全く問題ありません(チケット料金は変わりません)。ぜひ、障がい者と地域と芸術が融合した「
ハートランドチャレンジFES」に足をお運びください。
詳しい料金や出演者情報は→
こちら当日精算でのチケットご予約は→
こちら
普段は制作部の時間である午前中には、役者全員がそろっていたわけではないので、代役を分担しながら各自が気になるシーン、やっておきたいシーンの自主練習を行いました。そのシーンを演じ終えて、お互いに「あのセリフがちょっと抜けていましたよ」「もっと驚くようにって演出がついていましたよね」などと演技の振り返りを行い、修正しながら繰り返して練習しました。普段やったことがない役の代役も担当したせいなのか、脚本を見ながらも相手のセリフを奪ってしまったり、自分のセリフを飛ばしてしまう役者もいました。それでも少しでも稽古の役に立とうと、間違えた個所をしっかりと確認し、周囲が「やりますよ」と持ち掛けても「大丈夫!やる!」とこれを拒み、代役を続けていました。公演直前の最後の練習ですから、自然と熱が入るようです。

午後になると役者が全員揃って…と言いたいところでしたが、この日は事業所が参加する別の行事の打ち合わせ会議があり、団員の中から2名がその会議に出席しなければいけませんでした。そのため、約2時間半、欠員が出た状態での稽古を余儀なくされました。それぞれが社会の中で劇団員以外の役割も持って生活をしているわけですから、こういったことも珍しくはありません。その2名が出演しないシーンを選んで、最後の稽古に取り組みました。より面白くするには、よりお客様を引き込むにはどうしたらいいか?細かい表現の仕方や、体の向きにも修正が加えられました。役者たちがどこまでこのプランを実行できるかが、今回の公演のカギになりそうです。

夕方になり会議に抜けていた2名が戻ってから、準備をして通し稽古を行いました。本番前の最終稽古です。音響も本番仕様に構成されたものが導入され、臨場感が高まってきました。盛り上がりすぎたのか、アドリブに熱が入り、本来のセリフを忘れてしまうこともありました。よかった点も悪かった点も含め、役者たちは自分自身で演じてみた感触、演出から指摘された修正点などを持ち帰り、2日後の本番で表現することになります。同時に音響にとってもこれが最後の調整の場。雰囲気に合っているのか、長さが妥当なのか、音量はどのぐらいをイメージすればよいのかなどの手応えを得て、本番までに音源の調整を行うことになります。通し稽古で使った曲が差し替えられたり、カットされたり、追加されることもよくあることです。役者だけではなく、あらゆるセクションが本番ギリギリまでより良くしようという作業を行っています。

いよいよあと2日で「
ハートランドチャレンジFES」の開幕。昨年夏、今年の2月に続いての「
ボーダーライン」上演です。この1年間で3回も上演する機会をいただいて、やることが当たり前のような気さえしている「
ボーダーライン」ですが、また同じように上演できるという保証はどこにもありません。常にこれが最後、そして過去最高という意識を持って、団員たちは稽古に臨み、本番に備えるようにしています。作品の内容だけではなく、舞台に取り組むそんな劇団員たちの姿勢を、ぜひご覧いただきたいです!
5月3日は祝日で、本来は稽古も事業所の活動もお休みですが、
ハートランドチャレンジFES'18の開催が来週に迫った木曜日ということで、任意参加の特別稽古が開催されました。任意参加という触れ込みだったのにもかかわらず、稽古には12日(土)のイベントに出演する団員全員が集まりました。
みんなで稽古場の準備と掃除を行ってから、今日の稽古の流れや衣装に関する説明があり、さっそく着替えとウォームアップに入っています。どの団員も残り僅かの稽古時間に集中力を持って臨んでいました。この日は通常の活動や仕事がない分、全員が一つの目的に、同じ方向を同じスタンスで向いているようでした。
ウォームアップに続いて、今回のイベント公演用に付け足されたシーンの稽古を行いました。
てあとるみのりはイベントのトップバッターで登場します。それを想定してイベント全体や、
てあとるみのりの舞台にお客様が入り込みやすいように考えて作られたシーンなので、演じる側もその意識を持って演じる必要があります。会場の広さ、お客様との距離感などを具体的にイメージすることで、ひとつ一つの言葉の伝え方も変化してきます。どうしても自分が気持ちいいように演じてしまいたくなる意識を改め、目の前に存在するお客様へ届けること、理解してもらうことを優先していくことが確認されました。

その話から発展して演出から「シーンが切り替わるとき、自分の出番が一区切りするときのセリフをもっと大切にしよう」といった指摘もありました。どうしても自分の出番の最後は気が抜けてしまったり、これで最後のセリフだから思い切り自由にやってやろうという意識が先行してしまいがちですが、その人にとっては最後でも、舞台に残った人たちは、そこで残された空気を引き継いで演技を続け、物語を創り上げていかなければいけないのです。その人たちにいいバトンをつなげられるかどうかが、物語全体の品質を左右してくるのです。役者たちも「今までそこまで考えたことがなかった」「自分がいなくてもあとの人が引き継いで物語を創っていくんですから、考えなければいけないですね」「これができるようになればもっといいものをお届けできるんですよね」といった、目から鱗が落ちたような反応が続々と挙がっていました。ただできていなかったことに落ち込むのではなく、それを克服してより良いものを生み出せるようにというモチベーションにするような意欲が、今の団員たちには根付いていました。すぐにその成果が出せるのかはわかりませんが、今後の成長要素のひとつになったことは間違いありません。

こうして迎えた通し稽古では、各自が集中しつつ、時にトラブルに対処しつつ、これまでよりも少しメリハリがつき、ドラマティックになった流れと感情の表出が垣間見られました。演じている役者自身も、いつも以上に感情が揺さぶられていました。これは全員が物語を、その空気を構築している意識を強く持った賜物でしょう。これまでは冷静に演じていたシーンで、予想外に感情の昂りや抑えきれない衝動に駆られていたようです。もちろん、これは通し稽古の前に演出から伝えられた言葉に初めて真摯に向き合ったゆえの体験です。いずれそうやって物語の空気を肌で感じられる領域で創り上げていくことが当たり前になって来れば、感情を制御していくという役者本来の務めも果たせるはずです。遅ればせながら、ひとつの舞台を構築していく上での必須センスの一部に足を踏み入れることができた、本日の通し稽古でした。

いよいよ、
ハートランドチャレンジFESまで残り稽古は1回。少しでも良い品質の「
ボーダーライン」をお客様にお届けするため、この1週間で各自が必要な準備や鍛錬を積んでくることを誓い合いました。その成果をぜひ、5月12日(土)
南大塚ホールでお確かめください!チケットはまだまだ絶賛販売中です。もちろん当日券もありますので、当日のご気分、ご都合でふらっとお立ち寄りいただいても全く問題ありません!とにかく見に来ていただきたい舞台です!
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