先週から稽古に突入した第18回公演「
ボーダーライン」。今週も午前中の制作部と午後の稽古に集中して取り組みました。脚本の内容がすべてが明らかになったこともあって、制作部ではさらにグッズの開発を行うべく、アイディアを検討しています。

なるべく物語の内容、登場人物やテーマに合わせたグッズは作れないか?デザインだけではなく機能性、生産可能な能力とコストはそろえられるのかといった意見を出し合いました。何人かの団員は試作したアイテムやイラストにまとめた案を持ち込んで話し合いに臨んでいました。残りの活動回数も少ないので、意欲的に進んでいる印象です。
また、制作部では衣装の確認や製造がスタートしています。既製品をすべて買ってくればいいというほどの予算もないので、なるべく安くそろえられる方法を探す、材料から製造するといった工夫をこらしています。もちろん、お金をケチり過ぎて、イメージからかけ離れた衣装にならないように、必要なアイテムには課金するように、その見極めをしっかりと意識しながら準備を進めています。この日は長細い布を何人かで手分けして加工しはじめていました。制作部に参加しているうちに、それまでできなかった裁縫が上達するといったスキルアップを体験できます。

そして迎えた午後の稽古。今回もウォームアップから役者たちはやる気十分。筋トレから発声練習、早口言葉練習まで入念に行いました。先週出来なかった物語の後半を中心に稽古を行い、演出からも具体的な指示が多く出されていました。ほとんどの役者が自主練習である程度品質を向上させていたようで、上手くまとまっているシーンもいくつか見られました。このペースでさらに鍛え上げて行ってもらえれば、稽古の質もさらに上昇していきそうです。

その一方で、いわゆる役作りという観点では、まだ稽古2回目であることから、はっきりとした方向性が定まっていない、本来表現すべき要素を表現できていないという課題が多く見られました。この点に関しては演出から「この人物は、他の人の話をどう聞いているのだろうか?」「何でこういった話し方になっているのか考えて、その思考を表現に入れないと何も伝わらないですよ」など、具体的なアドバイスが出されていました。役者たちは「ああ、そうか…」「まだまだ読み込みというか、考えが浅かった」と、しっかりと言葉を受け止め、次の稽古に向けての改善を誓い合っていました。

稽古の合間の空き時間にも、役者同士で演技の確認を行ったり、動きのパターンを合わせなければいけないシーンではお互いに動画を撮影して「後でメールで送りますね」「客観的に見ると拙さがわかるんじゃないですか」と、サポートし合っていました。稽古後には休日に自主練をするために集まれないかと、関連する役の団員同士が打ち合わせ、日程を調整していました。裏方業務が稽古時間以外に作業して、稽古でその成果を確認していくのと同様に、当然ながら役者たちもそのような努力を積み重ねています。こういった気持ちの重なり合いがひとつになって、初めてひとつの舞台が成立するのです。
先週末のハートランドチャレンジFES'17 in 大正大学も無事に終了。第17.5回公演はご好評の中で幕を閉じました。そして今週からは8月に予定されている第18回公演の稽古がスタートしています。脚本はすでに月曜日に役者に配本済みでしたので、まずはスタートダッシュを決めたいところです。

午前中の制作部ではすでに第18回公演に向けたグッズ作りを行っていましたので、特にこれまでと変わりなく活動を行っています。すでにひとつのグッズは予定数量の製造に達しようとしています。先行してできることを進めておいた成果です。あとは脚本の内容に沿ったグッズの開発を目指した検討を行い、追加するグッズを絞り込み、製造していく作業が待っています。ここまでの進捗状況に決して安心できないスケジュールです。
そしていよいよ午後の稽古、「
ボーダーライン」のシーン稽古のスタートです。ウォームアップから役者たちは気合十分。ちょっとした空き時間に役者同士でセリフの確認や読み合わせを行ったり、自主的に筋トレも行いながら稽古に備えていました。

こうして迎えた初日の稽古は、みんなで脚本を通して読み合わせをしましょうという雰囲気ではなく、通常の立ち稽古に近い雰囲気で実施しています。演出からも細かくストップがかかり「あなたの役割をもっと理解してください」「もっと体を開いて相手を見る」「もし向こうが動かなければフォローすることも考えていかないと」などと、細かい役作り以前の舞台上での意識に関する指示が多く出されていました。

まだ稽古に入ってすぐの段階ではありましたが、残りの稽古回数が10回ほどしかありません。まだ初日だから…という言い訳をしている時間はありませんので、演出からの要求も具体的で鋭いものばかりでした。役者たちはそこを意識しなければ役が成り立たないというポイントを、ズバズバと指摘されていました。そして繰り返して演じるうちにそのニュアンスが形になっていく様が確認できました。どうしても以前の役柄のイメージが抜けず攻撃的に振る舞ってしまう役者もいましたが、今回の役どころについて、演出がじっくりと説明をしたところ「わかった」と理解してくれていました(今のところその理解が演技に反映されたかは不確かですけれど)。方向性が明確になるような演出の言葉を、役者たちが次週までにどうやって自分の演技に昇華させてくるのかに注目です。

さて、そんなわけで、いよいよスタートした第18回公演「
ボーダーライン」。ここからどんどんと、ハイペースで内容を高めてまいりますので、ご期待ください!
てあとるみのり第17.5回公演「そこから始まる物語(ストーリー)」へのご来場、誠にありがとうございました。そして、その物語の幕が下りた瞬間、第18回公演の情報が解禁されました!
てあとるみのり第18回公演「ボーダーライン」
脚本・演出 椙田佳生
2017年8月4日(金)~6日(日)
北池袋 新生館シアターにて上演!チケット販売開始は6月中旬を予定しています。詳細は追ってこのブログやフェイスブックで紹介してまいります。
たくさんの方のご来場を心よりお待ち申し上げております!
第17.5回公演「そこから始まる物語(ストーリー)」
2017年5月13日(土) ハートランドチャレンジFES'17 in 大正大学にて上演!
詳細情報は→
こちら
世に言うゴールデンウィークを挟んだことで、活動が行われるのは2週間ぶりとなりました。気が付けば、ハートランドチャレンジFES'17の2日前。必要な準備に余念なく向き合う1日となりました。

午前中の制作部ではグッズ作りの続きを実施しました。開始時には人数が少なく「今日は静かだ」「実に平和だ」といった声が聞かれました。人数も少なく余計な雑談もなかった分、作業に集中して取り組む劇団員たちでした。次第に他の参加者が顔を見せ始め(全員きちんとした所用があってのスケジュールでした)、後半はいつものように「これじゃだめ?」「だめです!」「ここまでは終わらせてもらわないと困ります」といった、制作を中心とした押し問答が繰り広げられていました。厳しさの中にも楽しい雰囲気が溢れていました。

そして午後は、
第17.5回公演「そこから始まる物語(ストーリー)」の最終稽古でした。この作品を上演する予定の「ハートランドチャレンジFES'17 in 大正大学」に関する申し送り、ウォームアップの後に稽古に入りました。この日の稽古のテーマは「通し稽古」による全体のバランス調整と、「ダンス練習」による品質向上でした。そう、今回の公演もダンスシーンがあるのです。しかも、30分のステージに対して2曲。なかなかの割合です。

通し稽古の1本目は久し振りの稽古であることと、緊張感からか、妙に間延びした部分があり、演じ終えた役者からも「長かった」「無駄に長い気がした」という声があがっていました。実際にタイムを確認すると、想定していたタイムより3分以上長かったです。早速改善点を振り返り、それぞれ役者同士で工夫すべきところ、改善すべきところを確認し合い、2本目の通し稽古を実施、少しずつタイムを縮めていくとともに、物語の構造をより引き立てるためのペースの切り替えや演出的意図を共有していきました。

その後、ダンスシーンの練習と休憩を挟んで、夜にも2本通し稽古を実施しています。今回の作品は出演者が15名近くになるため、全員に同じ密度の振り返りができない(修正すべき優先度が高いところを重点的に手直しする)というジレンマがありましたが、どの出演者も、言われたからやるのではなく、自分自身で自分の演技や周囲との連係を振り返り、少しでも品質を向上させようと自主的に反復練習していました。事業所利用者(障がい者)、社会人、学生、タレントと多種多様な参加者がひとつになって取り組む姿がそこにありました。これこそが、てあとるみのりが目指している舞台創りです。

ちなみにダンス練習は、ダンスシーン該当者を2チームに分け、曲をひたすらリピートし、交代で何度も繰り返して練習しました。この日は気温そのものも高かったことに加え、ダンスの運動量と、参加者の熱気で、室内は冷房をかけてもなかなか涼しくなりませんでした。踊っている団員は汗びっしょりになっていましたが、繰り返し体を動かすことと、他の人のダンスを客観視することで、次第に振り付けのシンクロ率が向上していきました。技術的に優れた踊り手がいるわけでも、ダンス経験者がいるわけでもありませんが、曲と振り付けの一体感と、それを共有して踊る全体の一体感の双方をお届けできそうです。

何はともあれ、これでフェス公演の稽古はすべて終了。いよいよ13日の本番を残すのみとなりました。様々な顔ぶれがひとつの公演のために集い、共に汗を流し、声を出し合い、支え合ってきたわずかな時間が、間もなく終焉を迎えようとしています。もちろん、舞台の上に立つ人の背後や傍らに、様々な人の支えがあったことを忘れてはいけません。その幸せを噛みしめ、折り重なった偶然に感謝し、関わる全ての人と舞台を通してひとつになることが、最後に参加者に課せられたテーマです。その課題の答えを、13日の公演で披露します。ご期待ください!

てあとるみのりの登場は13日(土)14時50分ごろです。FES入場券(1,500円)は当日受付でお買い求めください!
詳細情報は→
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