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10月27日の「TRIGGER」です。

Posted by theatreminori on 28.2016 稽古レポート
てあとるみのり第17回公演「TRIGGER」
2017年2月24日(金)~26日(日) 北池袋 新生館シアターにて

参加者(音響、照明、役者)募集中!詳細
稽古のスケジュールはこちら



11月は木曜日に祝日、てあとるみのりが活動拠点にしているハートランドみのりの行事が入ってしまうため、活動回数が半減してしまいます。そのため10月最後の活動になった27日(木)は、緊張感と焦燥感が交錯する一日となりました。

制作部では引き続きグッズ案の試作品持ち寄りと、それに関する検討が行われています。グッズの最終決定が11月24日に設定されているため、大まかな形状やコンセプトは絞り込んでおかないと間に合いません。団員たちはお互いの案に対して「もう少し小さい方がいい」「真ん中に入れた方がいいのでは?」「こっちの形の方がいい」などなど、思い付いたことを遠慮せず意見交換していました。この日一番白熱したのは、ラインナップ予定のトートバッグのデザインについて。どのような素材をどこに配置していくか、実際に紙を切り抜いてロゴマークに見立て、あーでもない、こーでもないと議論を重ねていました。議論はデザインの問題を飛び越えて、バッグのサイズにまで波及していました。

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午後の稽古では配役決定を控え、最終オーディションを行っています。もちろん昼の稽古に参加できない団員は別枠なので、この瞬間にすべてが決まるわけではありません。それでも参加した団員は、いつもの稽古の数倍の達するであろう緊張と集中を傾けて稽古に臨んでいました。稽古開始前の昼休み中から、集中して脚本を読んでいる、声を出している役者がほとんどでした。それぞれの過ごし方、稽古への準備の仕方が一味違っていた印象です。

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オーディションは全部で5シーン。演出から指示された配役で脚本を読むというシンプルなものです。動きに関しては重要視されず、役者たちにはとにかく正確に読むこと、人物の雰囲気を表現することに集中してもらっています。つまり直立した状態で脚本をしっかりと目で追いかけながら演じていいというわけです。これは裏返せば、セリフのミスが許されない状況です。ましてやひとつのシーンでひとつの役を演じられるチャンスは1度だけ。緊張するなという方が無理でしょう。

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序盤は肩に力が入った役者も多かったのですが、何シーンか進むうちに、動かなくていいと言われているにもかかわらず、迫真の演技を求めて体を動かし始める役者もいました。「この方が気持ちが入るから」と、その人なりのアピールです。ただし、気持ちが入り過ぎてしまうことで、思わぬミスが発生することが舞台ではよくあります。この日も、いつもより緊張する中で気持ちが先走ってセリフがおろそかになる役者がいました。この点は演出からも精神状態をコントロールして、熱くなりつつも冷静に演じられる心理状態(その感覚)をものにするようにという振り返りがありました。オーディションという緊張感の中だからこそ、気持ちが制御できなくなりがちです。それでもいつもの力に近いパフォーマンスを生み出せるようにしなければ、舞台の本番で安定した演技を生み出せません。

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どうしても普段の稽古では「間違えてもいいや、練習だから」という甘さが目立ってしまいます。本来はこの日のオーディションの様に「ミスをしたらいけない」という緊張感と、その中で己をコントロールする力を得るという課題の中で稽古に臨まなければいけないはずです。オーディションを終えて、演出からはそんな振り返りが全員に投げかけられました。突然開催された配役オーディションには、こんな当たり前ながらも、日頃忘れてしまっている重要なことに気付いてもらおうという狙いがあったのかもしれません。

肝心の配役は、オーディションで収集されたデータにT.M.Evolution枠の役者たちの適性も加味しながら、間もなく決定することでしょう。「どんな役になっても全力で取り組みます」というのが役者たちの総意です。なぜなら、舞台に立てることだけでも、人生の中で極めて特別な体験だからです。選り好んでいる場合でも、できるかどうかで怖気ついている場合でもありません。この奇跡ともいえる幸せな時間を手にするには、自分がその意欲と、それを手にする力量を見せつけていくしかありません。立ち止まったままの人は何も得られないのです。これは舞台に限った話ではない、人生そのものを指していると言えるでしょう。

10月20日の「TRIGGER」です。

Posted by theatreminori on 20.2016 稽古レポート
17_参加者募集

てあとるみのり第17回公演「TRIGGER」参加者募集中!
役者、照明、音響…などなど、詳細は特設ページをご覧ください→こちら



10月20日(木)は制作部開始前から「○○をやってこなかった、できなかった!」「このままじゃグッズ化できないですよ!」と、持ち寄るはずの案(試作品)の完成をめぐって、一部の団員が大騒ぎでした。先週の約束ではこの日までに作って来なければいけない宿題があったのですが、間に合わせることが出来なかった団員がいたのです。また、「苦し紛れでも何か案を(形として)出さないと…!」ということで、まさに家にあったアイテムに手書きでロゴを書き加えたような、本当に苦し紛れかと思える案を持ち込む団員もいました。

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一見すると話が進んでいないようでもありますが、それらの状況に対しても全員で確認と振り返りを行うことで、改めて次週までにそれぞれがやってくることが明確になりました。今は様々な案を出し合って、それに対して意見を交換させる段階です。今日の活動の中でも「以前に売ったあれはどうだろう?」「今までこんなものを売っている団体はないかも」「いっそ本格的にやってみてもいいかも」などなど、その中から新しいアイディアが生まれてきました。少しずつですが、机上の空論だけではなく具体的な案を介しての検討が進められています。今回のグッズがどのような完成形に至るのか楽しみです。

午後の稽古はウォームアップからいつもより気合いの入った雰囲気が伝わってきました。発声練習ではいつもと違って、目の前に相手を立たせて、その人に向かって声を投げかけるような練習を行いました。ひとりひとりで行うと雑になってしまう部分が改善され、はっきりと相手に伝える意識を持続させて取り組むことが出来ました。

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その後はダンスシーンに備えて、まずは自由に表現する練習を挟み、脚本の読み合わせに入りました。まだ役は決まっていないながらも、それぞれ役を入れ替えながら、数シーンを読み合わせています。これまでよりも特徴を大胆につけて演じる役者や、ここぞとばかりに女役に挑戦する男性団員もいました。

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すでに役が決まっている団員は、今から内容を深めるとともにセリフや展開を心と身体に注ぎ込む作業に入っています…と言いたいところではありますが、なんとなく、本番はまだ先の事だという余裕が感じられます。実際には物語を覚えようという努力が実行されていないような気もします。今週も演出から、どんどん脚本を読んでセリフや役をモノにするようにという指示が与えられていましたが、果たしてどうなるでしょうか?

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また、当たり前のことながら、一度伝えられた演出内容は次週までに身に着けてくるという基本も確認されました。稽古が始まると毎週のようにこの話題が出ます。それだけ当然のこととして実践されていないということでもあります…。

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稽古に入る前には、自分の都合だけで先週休んでしまったこと、今週までに作ってくるという約束を果たせなかった団員から相次いで謝罪とこれから必死に頑張っていくのでまた一緒にやらせてほしいというお願いがありました。てあとるみのりでは、主宰がNOと言えば絶対にNOではなく、団員みんながYESと言えばYESになるという風潮があります。この日もそんな団員に、他の団員から思うところ、励ましの声などが投げかけられ、再び一致団結となりました。そんなことがあってからの稽古だったからか、今日は誰もが積極的でした。この気持が冷めることなく持続していくことに期待します。

10月13日の「TRIGGER」です。

Posted by theatreminori on 13.2016 稽古レポート
この日から夜の稽古T.M.Evolutionも再開される10月13日(木)。第16回公演以来の長い木曜日の始まりです。午前中の制作部では今回の公演のグッズ案を出し合いました。なかなか試作品をしっかり用意するまでの時間がなく、アイディアのイラストやイメージ画像、かなり品質に難がある試作の試作品などを用いてのプレゼンとなりました。この段階ではまだ「これだ!」という案が見出されませんでしたが、その分、改めてどのような観点からアイディアを練ればいいのかを共有することができたようです。

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制作部の後半には、てあとるみのりとは直接関係がないことですが、ハートランドみのりが某学園祭で学生から販売する手作りグッズの共同制作を依頼されていることから、そのグッズの作り方を復習しておきました。てあとるみのりの団員のほとんどが、学生との共同作業に参加するので、本題とは関係のない案件でありながらも時間を割いて準備しました。団員たちは実際にグッズを作りながら、必要なことをメモして、真剣に練習していました。共同作業の日が楽しみです。

午後は第17回公演「TRIGGER」の稽古です。これまでは全体を通して読むという、作品の雰囲気や役の特色に触れるための時間でしたが、今週からいよいよ中身を深めていく段階に突入しました。まだ配役は決まっていないものの、それぞれの役者から希望の役を宣言してもらうイベントもあり、演じるときの力と心の入り方が少し変化してきました。

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今回は二つのシーンを抜き出し、配役を入れ替えながら(希望によっては連続で)各3回読み合わせました。「この頃座って読んでばかりだったので、体がなまってしまう」と、ある団員が声を上げ、少し動きを付けながら読んでみることになりました。時々位置関係や、姿勢の取り方にしっくりこない現象が起きていましたが、今まで以上に会話の速度やテンポが演技に反映されやすくなりました。

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今週の我らが大女優は「すごくねむーい」と連呼しており、時々機能が止まっていました。稽古の終わるころになって「やっと目が覚めてきた!」と時代遅れの覚醒。演出から託されたこれからやるべきことの指示を頷きながら聞いていました。

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この日は日頃の稽古の積み重ねという形式的なもの以外に、仲間と同じ舞台に立つ、ひとつのものを創っていくという過程の中で重要な「信頼関係」について、団員と共有する機会がありました。時間をかけて築き上げてきた信頼が壊れるのは一瞬。その信頼はどんなに償っても時間をかけても絶対に直らない。ただ新しい信頼を作り直すことはできる。そのためには同じ過ちを繰り返さないこと。逆に言えば、同じ過ちを繰り返せば、すべての信頼を失うことになる。これは演劇のように個々に明確な役割と責任がある活動における特異な作用と思われがちですが、実は世の中すべての他者と関わる局面、何らかの集団に属する機会において共通のことです。だからこそ、苦しい時、悩んだ時には、自分のことだけではなく、その周りの仲間のことを思い浮かべて力に変えなければいけないのです。



10月6日の「TRIGGER」です。

Posted by theatreminori on 06.2016 稽古レポート
先週の稽古でほぼ完成形の脚本読み合わせが行われましたが、その時に収集されたデータを基に、この1週間で最終調整が施された脚本(完成版)が配布されるのが今日、10月6日です。午前中は体裁が整えられた脚本の印刷、昼には製本が密かに行われていました。



さて、そんな動きが気になりながらも、午前中の団員たちは制作部で真剣にグッズの話し合いを行っていました。これまでの公演で製造・販売したグッズからさらに進化させたもの、新しいもののアイディアを集める段階です。中にはちょっとユニークな案を持ち込む団員もいました。また、来週が本来の試作締め切りだったアイテムを、1週間早く仕上げて持ち込む団員もいました。誰もが少しでもいいものを創って売りたい、買っていただきたいという意欲にあふれていました。今後試作と検討を重ね、最終的に販売するグッズが決まっていきます。

そして、いよいよ午後の稽古で完成した脚本が配布されました。総監督が製本が終わった脚本の山にかかっていた布を外すと「おお~」という歓声と拍手が上がりました。まさに除幕式です。総監督から「この脚本が欲しい人?」と声をかけると、全員が挙手。それぞれの団員に総監督から一言かけながら脚本が手渡されました。いつものことながら、期待と不安と緊張とやる気が複雑に交錯する瞬間です。

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その後、簡単に物語と登場人物の概略説明があり、休憩時間を挟んで読み合わせとなりました。休憩中でも団員たちは手に入れたばかりの脚本に夢中で、集中して食い入るように視線を注いでいました。これから公演の日まで毎日こういった時間を過ごせれば、自ずと品質も良くなっていくはずです。新しいものを手に入れた瞬間から、そのものへの興味が減退していくのが人間の常ではありますが、ぜひとも、この新鮮な感動と興味を忘れないでもらいたいところです。

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読み合わせでは、先週と違った役を選択する団員がほとんどでした。まだ役者の人数よりも役の数が多いので、いろいろと試せる段階です。実際に演じてみて、自分自身がどう感じるか?周囲はどういう印象を持ったか?一つひとつの手応えを感じ取っていきます。とは言っても、公演までの稽古回数は残り15回。あと1~2週間のうちに、T.M.Evolution枠からの参加者も含めて、配役を決定していく予定です。

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読み合わせの序盤は全員が座った状態でしたが、演じているうちに自然と体が動き出す役者もいました。これからも、この作品のテーマだけではなく、舞台の上で発する熱、空気の流れなどもイメージしながらの稽古が重要になってきますので、全員がどんどん貪欲に表現に向き合っていかなければいけませんね。

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何はともあれ、脚本が完成すると改めて「始まったな」という気がしてきます。貴重な稽古を無駄にしないように、各自が必要な準備をして、稽古に集まるように誓い合いました。稽古の締めは大女優の「ファイトで行こうよ、オー!」の掛け声でした。第17回公演「TRIGGER」は2月24日から。気を引き締めてまいります!

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