午前中の制作部では、いよいよ販売開始が迫ってきたチケットのデザインの最終決定を行いました。これまでの話し合いを経て、最終候補に残った3案の中から、ひとつのデザインが採択されました。決め手はてあとるみのりにとっての斬新さと、てあとるみのりならではのインパクトです。もちろん、これまでにない趣になっていますので、ぜひ、お買い求めの上、ご確認ください!
制作部ではそれ以外に当日のパンフレット案についても話し合われています。ここでも提示された複数の案に関して審議が行われ、ひとつの方向性に落ち着きました。やはり決め手は斬新さだったようです。あらゆる局面で過去の「Mission」を、これまでのてあとるみのりを超えようという意気込みが感じられます。
午後の稽古では、来週予定されている初の通し稽古に備えて、動きの確認と練習を行っています。これまでは、役者の思うがままに動く演技がほとんどだったのですが、今回は一味違います。しっかりとポジションを取り、よりよく演技を見せられるようなお互いの位置関係を構築しています。決して運動量が倍増したというわけではないのでしょうが、今まで以上に状況を把握し、判断しながら動きを入れていくことになり、演技の疲労度が増えたようです。役者たちは「暑い!」「すごく疲れた」と口々に感想を述べていました。てあとるみのりでは不慣れな取り組みですが、どの役者も真剣に演出からの指示に耳を傾け、すぐに稽古で実践して体と頭と心で吸収しようとしていました。限られた稽古回数の中で全体を合わせていく緊張感が、いい作用を生んでいるようです。それぞれが役者として、過去の自分を超えていけそうな予感がします。もっとも、動きばかりに気を取られて、肝心の演技、感情の流れとリンクしていないようでは意味がありません。予感を実現させるのは大変なことかもしれません。

ウォーミングアップの「ポーズゲーム」より。お題は「日曜日」。

表情豊かに演じています。

宴会のようなシーン?

何故か差し出されるバケツ。これは代用品か?それとも…?

何やら不穏な空気が感じられます。
第13回公演「Mission」のチケット販売開始は6月28日(土)です。そして来週の稽古では初めての通し稽古に挑戦です。まだまだ先の話と思っていた池袋演劇祭の開幕と、公演初日が、少しずつ近づいてきた実感があります。各自がその先の目標を見据えて、貴重な時間を過ごせることに期待しましょう。
ついに新しい「Mission」のチラシが完成しました!デザインの構築に紆余曲折を経たせいで、始動当初からかなり遅れての仕上がりとなってしまいましたが、やっと印刷まで終わりました。印刷店から完成の連絡を受けた制作部の団員は早速台車で引き取りに出かけました。近所の印刷店とは言え、部数が多いので重量がかなりのものです。それでもいち早くチラシを団員に、お客様の手に届けるために、暑さに負けず即行動です。

こうして、お昼には無事にチラシが納品されました。午後の稽古で団員たちに初期配布分を渡しています。本日の制作部で話し合われた、近隣劇場における公演への折り込み計画を反映させつつ、これからどんどん宣伝に活用していきます。最近はインターネットを介した宣伝素材の配布が主流になりつつありますが、アナログ的な紙媒体のチラシには、作品の質感を感じられる不思議な魅力があります。Webと紙媒体を並行して広めていきたいところです。
午後の稽古では、多くのキャストが舞台上に上がるシーンの練習を行っています。しかも様々な動きが発生するシーンのため、「ここでこっちに行っちゃうと、向こうに行けない」「最初の位置ってこうなるんでしたっけ?」などなど、動きの段取りを確認するのに一苦労でした。シーンの頭とその前のシーンの流れを確認しながら、ここは誰を中心に動くべき場面かを検証しながら、それぞれのキャラクターの動き、位置を確認していきました。


これまでのてあとるみのりは、それほど細かく位置や動きを調整していませんでした。その都度役者の感性と、その場の状況で、臨機応変でありながらも自由に動いてもらう手法を採っていました。しかし、今回の「Mission」は動きによって面白さを見せるシーンも数多く入っており、毎回アバウトなまま演じていると、不自然な位置取りであったり、予期せぬアクシデントが発生してしまいます。全体として連動した動きの整理が必要なのです。これまでセリフ、役作りのことだけで頭がいっぱいだった役者は、新たな試練に早速苦戦していました。そうそう簡単にこう動こうとか、こう動くべきだとか、体が自然に反応できるものではありません。「フツーに考えたらこっちへ行きたくなっちゃいますよ」「ここで止めに行くには、こっちにいないとですよね?」「先に視界に入ったらダメじゃないかな?」などなど、なかなかスムーズに抜け出せない場面ばかりでした。それでも、みんなで取り組みながら、少なくとも過去の自分たちの作品は超えようと頑張っています!

この日も雨模様となった12日(木)の制作部と稽古のレポートです。第13回公演「Mission」まであと3カ月少々。蒸し暑さなのか熱気なのかよくわからない現場の雰囲気にデジカメが壊れたままで、写真の向って右下が曇ったような感じがが続いていますが、ご容赦ください。
午前中の制作部では本番までのスケジュールを調整し直し、再設定しました。一度決めた計画も順調に行っているものもあれば、延期や変更になっているものがあります。それらを確認しながら、次に辿っていくべきスケジュールを改めて認識する作業です。ここでうっかりすると、そのまま本番直前まで時が流れ、あれもこれも一気に片づけなければならないという緊急事態になりかねません。節目節目で作業の進捗状況を確認し、新しく発生した課題や任務を加味した補正をかけていくことは必要不可欠なのです。

もちろん、この内容は制作部だけではなく役者たちにも共有されます。稽古前の申し送りではポイントになるスケジュール、進捗状況が説明されました。写真には秘密がたくさん掲載されているのでモザイクをかけてありますが、このぐらいぎっしりたくさんの情報が毎週更新、発生しているわけです。
そんな申し送りを経て始まった稽古。本日もシーンごとに数回の稽古チャンスしかないタイトなスケジュールです。役者は時間の無駄がないように、空き時間を有効活用しています。今回は、表側で稽古をしている役者の姿ではなく、そんな影の努力の風景を紹介しましょう。

先ほどまで稽古をしていたシーンでうまくいかなかった点、演出から指摘を受けた点を、該当する役者間で振り返っています。そしてどう改善すべきか、何に注意するのか、だれがどう動き、誰が何をフォローするのかなどの細かい部分まで話し合われていました。後に与えられる稽古チャンスに間に合わせるため、遠慮なく真剣に議論しています。

この風景がどんな場所で展開しているかというと、稽古をしているスペースと壁一枚で隔てられた空間。まさに舞台のすぐ裏側です。異なるドラマが同時進行している風景は、なかなかお目にかかることができません。これまでのてあとるみのりでは、本番直前の、本当に切羽詰った状態で何度か見受けられる程度です。それが3ヵ月前の稽古から当たり前のように行われているのですから、今回の「Mission」に対する意気込み、何とかいい作品にしたいという役者個々の思いの強さが相当なものだと感じられます。
この日の稽古では2シーン各2回ずつしか演ずることができませんでした。いつもより稽古できたシーンが少なく、時間が無駄に使われていたようにも見えますが、演出からの要求がどんどん深く、高くなっていたことがその要因です。無駄に稽古時間を費やすということはなく、必要な時間をそこに投じているような稽古でした。
役者たちは、上手くやり切れないことばかりで、悩みの壁に突き当たっています。しかし、この程度で跳ね返されて、立ち止まってしまっては、完成した舞台までたどり着けません。この壁を乗り越えれば、それは小さな段差に過ぎなかったことに気付くはずです。その積み重ねが、光射す舞台に続いているのです。

物語の中に生きる。それは、それを取り囲む現実という物語の主人公に、自分がなれる日。
夏のような日々が続いた関東地方も、この日から雨模様。時間の流れを痛感する今日この頃です。そんな6月5日の制作部の様子から紹介しましょう。

いつものようにテーブルを囲んでいろいろな案件の検証をしています。この日は小道具、グッズのことを中心に話し合ったり、サンプルで製造した作品のプレゼンなどが行われています。これまではただなんとなく集まって話し合って、その場で思いついたことを言うという風潮が強かったこの時間に、最近変化が生じてきました。

メモです。当たり前のことのように感じられるかもしれませんが、てあとるみのり制作部の面々は(もちろん全員ではありませんが)大事なこともメモしない、どこが大事なポイントなのかもよく把握できていないというスタイルが長らく継続していたので、とても大きな変化と進化です。話し合われたことをまとめて、簡潔に記録を残しておくことで、次回までに何をすればよいか、何に気を付ければいいかがわかりやすくなり、効率の良い準備ができるようになります。この日持ち寄られたこれまでより具体的なサンプルに関する評価や課題も、全員が共有することが出来ました。次週以降の活動が楽しみです。

午後からの稽古でも、先週の申し送りを受けたせいか、これまで以上に役者たちの何とかしようという意欲と必死さが伝わってきました。数少ない稽古回数の中で、ひとりに与えられた稽古時間はさらに少なくなるわけです。同じシーンはせいぜい2回の繰り返ししか稽古できません。その中で演出から伝えるべきことが伝えられ、役者はすぐにそれを把握して、少しでも反映させ、持ち帰ってから自分のモノにしていく…。そんな濃密な空気の流れる稽古でした。演出も意欲的に役者に関わって、伝えたいことを伝えていきます。そんな場面を出番のない役者たちはどう見ているのかと言いますと…

ちゃんと耳を傾けています。自分にはカンケーないという心構えではありません。物語全体として、何をどう描くことを目指しているのかをしっかりと共有しようとしているのです。こういった些細なことの積み重ねが全体として舞台の品質を高めていくのです。

役者のやる気、頑張らなければという思いが、やっと具体的な形として現れはじめました。そしてそれらがひとつにまとまりつつあります。様々な素性を抱えた団員の集合体であるてあとるみのりにとって、足並みをそろえて稽古を行っていくことがなかなか難しいのですが、この段階で高まりが実感できるのはよい傾向です。もちろん、先述したとおり、稽古回数も少なく、なおかつ役者全員が稽古に揃うことはほとんどないという条件の中での話です。裏方も演出も、気を抜くことなく、真剣により良い舞台創りに向き合っています。2年前の「Mission」を超えるのは当たり前。その時の自分を凌駕することが、ひとつの目標です。

そんな今週の「Mission」では、演出が立ち上がり、舞台の中に入って指導を行う場面が多かったです。やっとそんな雰囲気になってきました。順調に行くとは思えませんが、今後に期待できますよ!