5月29日の「Mission」です。

Posted by theatreminori on 30.2014 稽古レポート 0 comments
外は夏のような暑さだったこの日、稽古場になっているハートランドみのりの中もかなりアツくなっていました。もっともっと、自分たちの表現、センスを磨かなければいけないことを痛感した団員たちの熱気が、部屋の気温を上昇させていた気がします。

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そんな思いの発端は午前中の制作部でした。昨日「演劇集団TOY's BOX」さんの公演を見に行った団員2名が、かなり面白くて制作面でもレベルが高かった事を、自傷的ショックを伴った様子で報告。張り合うつもりはないにしても、同じ会場で、似ている価格設定でそれだけのものを見せてもらえたこと、もてなされた感覚は、娯楽を創造して提供する者として大いに参考になる物だったようです。しかし、そこで敵わない壁だと思ってしまう必要はなく、自分たちがこれまで培ってきた良さを生かせばいいではないか…という前向きな動機が必要です。そのための状況整理と、本来我々が作り出すべきグッズ、商品の話に及びました。仮にお金をかけて業者に発注して、見てくれを良くしたとしても、基のデザインは自分たちのアイディアと造形です。とにかくオリジナルティの確立が急務というのが、今さらながら納得できました。その共通認識があって、やや方向性を見失ったチャレンジではなく、過去にお客様から認められた「良い面」を、再び取り上げてみようということになっています。同じ手を使うことにも、確固たる道理があれば、マンネリにはなりません。需要がある以上供給は肯定的に受け入れられるものです。

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そんな話を経て迎えた午後の稽古は、いつも以上にアクティブだったような気がします。脚本を手放して演じることに挑戦した者、言葉よりも動作の自由度を優先した者など、個々の思いを強く表出させながらも、全体でひとつにならなければいけないという思いの共有…。少しは全員が同じ方向を見られるようになった気がします。演出家も対等に役者と向き合い、辛辣かつ的確な言葉のやりとりを経て、お芝居の品質を向上・構築させていきます。ワンシーン演じては振り返り、演技の意図、行動の裏側をお互いに確認していく作業は、一見すると地味なようですが、そんな些細なことの積み重ねがお客様に与える「面白さ」に直結しています。その積み重ねを追求するのが稽古なのです。

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演出と役者がそれぞれの思いを語り合うことで、稽古は少しずつ前へ進んでいきます。何の意図も持たない演技には、演出から鋭い指摘が入ります。ここで看破されるような浅はかな演技であっては、お客様の目を納得させることも、ごまかすことさえできません。これも稽古の大切な要素です。稽古の段階から日頃の立場、やむにやまれぬ事情の理解よりも大切な判断基準を浸透させていきます。

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客観的な視点での気付き、他者から提示されたオリジナリティから受ける刺激は相当な物だったようです。そんな刺激による団員の行動が、9月の本番まで継続することを祈るばかりです。もちろん、祈るだけでは何も変わりませんけれど。次週から6月に突入します。突入してしまいます。

5月22日の「Mission」です。

Posted by theatreminori on 23.2014 稽古レポート 0 comments
5月もいつの間にか下旬に差し掛かってきた今日この頃。稽古のギアも一段階上がってきました。これまでは稽古開始までの申し送り事項を緩やかに伝達することで、役者たちが徐々に芝居のテンションに切り替わっていくようにしていましたが、いよいよそんな馴れあいの時間も終了です。遅刻者を待つこともなく稽古が始まります。



代役を立てれば稽古を進めることができるので、団員で協力して代役を分担。演出はレギュラー陣の出来に注目して的確な指示や問いかけ、フィードバックを行うことが出来ました。この段階の稽古では実に効率のいい底上げが可能です。懸念すべきは遅刻、欠席の張本人たち。そういった濃密な演出を受ける機会を損失している事は役者として大きな損失です。成長の機会の放棄です。当然演技の出来にもどんどん差が生じてしまいます。この温度差は大きな危機です。

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役者の中には日々の稽古の積み重ね、確実な準備の積み重ねの成果を発揮し始めている者もいます。指摘されたことの改善に即時取り組む試行錯誤を恐れない勇気を持った者もいます。まだ成熟していないにしろ、演技、キャラクターの本質が見えてくる者も少なくありません。最終的には全員がこの領域に入り、ひとつの作品、世界を伝えなければいけません。ひとりたりとも理解できていないものが紛れ込んでいれば、それは達成できません。みんなに助けられて…という綺麗ごとでごまかせる程、現実は甘くありません。ひとりのせいで台無しになった、という事実が残るだけです。闘うべきは自分自身。己を制すことができないものが、他人を感動させることなどできません。何を伝えることもできません。特にこの「Mission」という作品は、その領域を体現できなければ何も残りません。生きる意義の本質に到達できなければ、これまでのすべてを失うことになるでしょう。

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そんな役者の覚醒を待っています。

5月15日の「Mission」です。

Posted by theatreminori on 15.2014 稽古レポート 0 comments
暖かい日が多くなってきましたが、てあとるみのりの稽古場であるハートランドみのりは、建物の構造上、通気性に優れているとは言い難く、少し涼しい空気が残っています。この季節は稽古しやすい環境です。しかし、夏になると、暑い空気が残ったままになるので大変です。

さてさて、そんな活動場所で行われた午前の制作部。みんなで衣装デザインのアイディアを描き出しました。自由な発想と瞬時の思い付きで様々な案が形になり始めています。すぐれたアイディアを捻出することが全てではなく、こうして皆で知恵を出し合って、最終的な完成形に高めていく作業工程が大切です。「絵は苦手なんだよな」と連呼していた団員も、複数のキャラクターの衣装イメージをしっかりとカラーで描いていました。

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その後は、昨夜話し合われた舞台装置についての説明が主宰者からありました。今回は今までよりもお金と手間と時間がかかる舞台装置です。それでも第8回公演「Mission」の経験者は驚愕することもなく、ひとつひとつの説明に静かに頷いていました。小道具に関しては小物をみんなで手作りしていくことになります。これまでは舞台監督も務める主宰者が一手に引き受け、超人的なペースで仕立てあげていた物品が、今回は本当の意味でみんなの力の結晶になります。一期一会で消えゆく舞台上の世界にも、より一層の愛着がわくことでしょう。与えられたものではない誇りを得られることでしょう。

午後からは役者たちの稽古です。これまでも何度か説明されてきた「役作り」の意味合いについて、演出を務める主宰者から詳しい話がありました。どうしても断片的な形をつなぎ合わせてキャラクターを作ったつもりになってしまう役者が多く、演技として、現実的な交流が芽生えていません。脚本に秘められた世界観、人物像を想像力と創造力で形に変えていく作業を行うのが役者の「役作り」です。テレビや映画の俳優の演技を参考にしても、脚本の深層を読み取ることはできません。形ばかりの演技しかできません。そんな当たり前のことを見過ごしてしまう自称「役者」からの脱却がなされなければ、お芝居全体の品質が向上するはずはないのです。



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まだまだ読み込みが足りない。そんな至らなさ、己の未熟さを突き付けられたとしても、それが次回の稽古までに「己がなすべきこと」の象徴になります。まだまだ力の足りない役者たちですが、一歩一歩前進しているはずです。稽古の写真からも、感情と動作と言葉のリンクが構築され始めていることが感じ取れます。もちろん、まだまだ、現物をお見せできるレベルではありません。演出家はこのまま役者がしっかりと成長を続けることを祈るとともに、それを加速させる然るべき言葉のナイフを彼らの心に突き立てていくことでしょう。序盤からフルパワーの稽古です。

5月8日の「Mission」です。

Posted by theatreminori on 08.2014 稽古レポート 0 comments
18-α
本日の制作部から午後の稽古まで、ホワイトボードに大きく記された数式です。

これは「Mission」公演までの残された稽古日数を示しています。よく見かける表記としては「+α」でしょうが、なぜか「-α」です。理由は行事や事業所(ハートランドみのり)の都合によって、十分に稽古が開催できない木曜日があることが予想されるからです。どちらにせよ、この数値が劇的に増えることはあり得ません。本番までまだ4か月ある事に油断していると、あっという間です。考え方を変えれば、本番まであと18日しかないのです。そんな状況でのんびり力を抜いて稽古や準備に取り組めるはずはありません。本日はこんな意識の改革と意志の共有を徹底しました。



緊張感あふれる稽古では、人物の内面、心情、言動の動機に至る細部まで掘り下げられた要求が演出から次々と出されています。感情に起因しない言動に対しては「学芸会レベル」「そろそろまともな演劇をしてください」「そんなものを見に来るお客などいない」という容赦ない言葉が投げかけられます。脚本を渡されて翌週の稽古ですが、スタートが肝心。ここで誤った認識のまま稽古を重ねても何の意味もないということです。これから重ねる努力が無駄なものにならないためにも、入口が肝心なのです。

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演出からのフィードバックを受けていくうちに、それまで脚本を読んでいる雰囲気全開だった役者の演技が、少しずつ解放的なものになり、動作や表情に生命を感じられるようになりました。「舞台上で、物語の中で生きろ」という長年の命題。その答えに少しだけ近付けたような稽古でした。次第に思い切って脚本を手放す役者も現れました。即興芝居練習で体現できていた、当たり前のやり取りが臨場感と現実感を彩り、時に滑稽さを増して畳み掛けるように展開され始めました。この粗削りだが生きている感じが、面白い舞台に不可欠な要素。どこまでこの鮮度を保ちつつ、洗練できるかが勝負です。

稽古の最後には、裏方団員も役者の稽古をバックアップして、本当の意味でみんなでひとつの舞台を創ろうという意志の統一が図られました。舞台作りに慣れてくると役者と裏方の役割の違いから、それぞれの取り組みが別物のような、別にその場にいなくても影響がないだろうというような、極めて誤った価値観を双方が抱いてしまうものです。それをそのまま放置していたのでは、チームとして一丸にはなれません。時に厳しくもアツい言葉を交わして、互いの取り組みを評する、いや、ただ見ているだけでも取り組む姿勢が変化します。そういう支え方もあるのです。むしろ、そうやって支え合わなければ成立しないのが真に凝集性の高い集団です。互いが貪欲に、己を高めるために他者を認め、押し上げ、引き上げていくモチベーションの連鎖。これも演技と同じく、常に新鮮な刺激でなければいけないものです。

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そういったイベントを経ての円陣はいつもよりドラマチックです。日常のどこにでもドラマはひそみ、モノの見方、感じ方ひとつでドラマが生まれるのです。この真剣な気持ちの塊が、舞台上からお客様のもとへ届けられるよう、今日を終えて17-α日の稽古が、毎回勝負です!

5月1日の「Mission」です。

Posted by theatreminori on 01.2014 稽古レポート 0 comments
ついに5月です。そして9月の池袋演劇祭参加が正式に決定しました。いよいよです。

そんな新しいステージの幕開けにふさわしく、本日は予定通りに全面改訂された第13回公演「Mission」の脚本が完成しました。午前中の制作部では、手分けして印刷と製本作業を行っています。「表紙が前の時より進化してる!」「ページが増えている気が…」と、内容は午後の稽古のお楽しみとして、チラッと見える新たな脚本の表情と感触に、ドキドキでした。同時に「始まってしまう~」「9月が来るのがコワイ」という武者震いにも似た本音の不安もちらほらと。これから徐々に本格化していく稽古の中で、各自がその不安を打ち消すような準備と実践を行い、よいフィードバックを得ることが出来れば、この不安の半分ぐらいは自信に変わっていくでしょう。

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午後の稽古時間は、最近役者たちが力を入れている発声練習と早口言葉、外郎売、ポーズゲーム(ストップモーション)などで盛り上がりつつスタートしました。役者同士声を掛け合ったり、いいパフォーマンスには拍手を送り合ったりと、これまでバラバラだった基礎訓練にも一体感、チームの雰囲気が芽生えてきました。

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基礎練習の後は脚本の配本が行われています。脚本家から第8回公演からの変更点を何点か告げられると、役者たちは「早く読みたい!」という欲求に駆られていました。物語が形になった初回ですので、代役を立てつつ、冒頭からラストまで通して読み合わせてみました。ここで今回の芝居の感触、色合い、温度などをリサーチしておき、来週以降の稽古、演出の方向性に生かしていくためです。

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序盤は静かに直立しての本読みでしたが、物語が進むにつれて勝手に体が動きだし、最終的には立ち稽古に近いスタイルになっていました。もちろん代役が混ざっていたり、動きが合っていなかったりと、完全なものではありません。それでも、十分にリニューアルされた「Mission」の世界観は伝わってきました。以前の脚本と比較して人物の性格付けが変更されているところもあり、演じた役者からは「もっと感情を出すような人物になってますね」「もう一度根底から考えてみないと」といった声が聞かれていました。誰もが変化に対して敏感でした。それだけ、物語の中で整合性を持って人物が存在できているということでしょうか。

この日はもう一点大事なお知らせがありました。参加が決まっている第26回池袋演劇祭に関連したスケジュールの告知です。サンシャインの噴水広場で行われるCM(予告編)大会にも出場しますので、その日程(8月22日)までに役作り、衣装、メイクなどを仕上げておこうと、全員で確認しています。それ以外のスケジュールも一切の遅延が許されない進行になるので、各担当は気を引き締めていく必要があります。ちなみに、本日無事に脚本が完成したことで、脚本家のミッションは完了です。しっかり約束通りの仕上がりでした。

来週も稽古は続きます。あと20回もありませんのでできることから少しずつ、です。

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