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4月24日の「Mission」です。

Posted by theatreminori on 24.2014 稽古レポート 0 comments
4月の木曜日も今週で最後。来るべき5月と本格的な稽古のスタートに備え、制作部では稽古場の大掃除を行いました。毎週の稽古でお世話になっているフロアを磨いて綺麗にする際には、様々な物資が収納されている棚も移動して、その部分の掃除もしっかりと行いました。棚を移動させるにあたり、積んであった荷物を全部下ろしたので、棚そのものの掃除も行いました。



床も棚も綺麗になったところでいざ荷物を戻す作業。これがなかなか難しく、どこにどう収まっていたのか?予め控えてあった配置表を頼りに並べてみても何故かしっくりこないという展開に。その時には気付かない、微妙な配置のズレ、配置の角度など、表にメモされた手がかりだけでは不十分でした。人間の記憶とは、案外曖昧なものですね。

午前中の制作部では掃除以外にも、裏方スケジュールの確認と、遅れている部署の今後の進め方について話し合われています。仮にスケジュールが遅れていても、節目になる締め切り日は変更せず、追い上げてスケジュールのリミットを厳守することが確認されています。そうしないと、ひとつの部署の遅れが全体を遅らせてしまうからです。担当者が責任を持って作業を完遂する以外に、みんなで創るひとつの舞台は成立しません。ちょっとしたずれが大きな違和感を生み、上手く収まるはずのものが収まらなくなるのは、棚の荷物と同じです。

とにもかくにも、裏方スケジュールと稽古場が全般的に綺麗になったところで午後の稽古へ。これまでは即興芝居を中心に「Mission」の世界に近い世界観の中で稽古を行ってきましたが、今回は「Mission」そのものにより近い脚本を使っての稽古でした。つまり、次週配本される脚本の試作版から、抜粋した数シーンのセッションを行いました。

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賑やかなシーンから、少しシリアスなシーンまで、脚本を完成させる直前の最終確認のような読み合わせでした。この段階ですでに役者は動き回り、お互いの関係性を意識して演じています。本日のみ代役で参加した方も「この雰囲気の中だったらやらざるを得ない、自然に違う自分に慣れた」と、完全に引き上げられてしまったようでした。それでも、役作りの観点からはまだまだ本当に上辺の上辺。本質に触れてさえもいない匂いのようなパフォーマンスでした。もちろん、そのレベルはこの段階では予想の範疇。ここから壮大で奥深い役作りの苦悩が始まるのです。

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稽古の最後には恒例の円陣気合い入れ。てあとるみのりでは開始時ではなく終了時の円陣が多いです。稽古の時間にそれぞれが努力を重ねて心をひとつにするのは当然。稽古から次の稽古までにどれだけの準備を行うか?どれだけの強い意志を持って闘えるか…?そんな思いのこもった円陣の掛け声が、今日も明るく元気よく響き渡っていました。

4月17日の「Mission」です。

Posted by theatreminori on 17.2014 稽古レポート 0 comments
てあとるみのりが稽古を行っている東京都豊島区南大塚近隣には多くの桜並木があります。ついこの間4月になって桜が散り始めたと思っていたら、すでに桜の樹は緑の葉だらけ。散っている花びらさえ見当たらなくなりました。本当に月日の流れとは早いものです。あと2週間で5月になってしまいます。

そんな時間の流れを感じながら、制作部では裏方業務全般のスケジュールを確認しました。第13回公演は9月ですが、今回は様々な事情から早め早めの準備が求められています。8月末には衣装、小道具、メイク関連も完全にそろえる必要があります。そこから逆算して考えていくと…チラシのデザイン決定は約1カ月後。印刷を完了するのは5月末。当日パンフレットのデザインは6月…というように、すでに動かなければならないことが絶え間なく続いています。裏も表も充実した準備をしようというのが今回のひとつのテーマ。そして多くのお客様にご来場いただくための必須条件です。制作部一同、改めて気を引き締めておりました。



そして午後の稽古。制作部の緊張感に集中力を高められた役者たちが、様々な状況での即興芝居に挑みました。もちろん「Mission」の稽古に役立つ要素がたくさん詰まった状況と人物設定です。10分間を目安にして、役や状況を入れ替えながら稽古してみました。中でも一番盛り上がったエピソードが…

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何だあれは?

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巻かれる。

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また巻かれる。

…そんなエピソードでした。何のことかわかりにくいでしょうが、実はこれ、第8回公演前にも実施した即興芝居と同じシチュエーション。ご存知のお方もいらっしゃるのではないでしょうか?

写真の雰囲気からも推察できるように、かなり心と体を動かしたため、役者は疲れたようでした。即興ですから何が起こるかわからない。その場その場で何かを感じ、考えて、行動しなければ物語が成立しません。心身の疲弊は当然のことです。しかし、それは他者と向き合ってその瞬間を演じている以上は、脚本がある稽古でも同じ感覚のはずです。相手が何をし始めるか最初からお見通しのドラマなど、何も面白くありません。演じる者同士に新鮮で斬新なアクションとリアクションの交流がなければ、見る者の心もときめきません。稽古を重ねることで埋没してしまうこのスリルを、どれだけ毎回体現できるか?それは、演ずる者にとって永遠の「Mission」なのです。

4月10日の「Mission」です。

Posted by theatreminori on 10.2014 稽古レポート 0 comments
先日行われた第12回公演「Memory_Stock」の際にお客様から回収したアンケート。終演後の会場や打ち上げの時に団員たちは一喜一憂しながらそのメッセージに目を通していました。その場ではそれぞれが「評価してもらえた!」「見ていてくれた」「まだここが足りなかったか」と、それぞれのフィードバックを行いました。価値あるご意見に感謝です。

しかし、そんな振り返りは極めて主観的で、正確なデータとして後の活動に生かされるかわからないものです。心に残ったお言葉だけをお客様の価値観だと都合よく結論付けず、客観的に数値を分析しなければ意味がありません。とは言っても、アンケートを集計、分析するのは一苦労。てあとるみのりの団員はパソコンに疎い(というか根本的に統計の取り方がわからない)。逆にパソコンを使えて、集計する理屈が分かる者は演劇を離れれば超多忙な社会人。これまでなかなかその作業は進んでいませんでした。

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そんな我々に頼もしい仲間が!見事にアンケートを集計し、分析可能なデータベースを作成してくれました!制作部情報分析担当とでも申しましょうか、素晴らしい仕事です。もちろん、これだけの数字をまとめるにあたっては、相当な苦労があったはずです。その上に成り立っている見事な結果。これは、まさにてあとるみのりの根底に流れる考え方に通じています。

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本日の稽古冒頭で、役者たちにも早速集計結果のお知らせと説明、何が良かったのか、悪かったのかなどの、情報の読み解きが行われました。好意的な評価が多かったアンケートでしたが、必ずしも、安心できない状況であることもはっきりと読み取れました。ここで反省ばかりしていても何も始まりません。次に向けて何をなすべきかははっきりしました。ただ漠然と「頑張ろう」ではない、具体的な取り組み方が見えてきました。いやいや、本当にデータ集計様様です。

なお、制作部ではデータ分析の話以外に、グッズの案(試作品のプレゼン)、チラシの案の意見交換、チケット販売の目標数値の設定などが行われています。チケット販売では、これまで主流だった友人知人関係以外の、一般カテゴリから多くのお客間を呼び込む方法について議論されています。すぐに解決するようなテーマではありませんが、これまでは深く考えたことのない、ある種の恵まれた環境下で興行を行っていた我々にとっては、次のステップに進むために必要な悩みです。とことん考え、実践し、振り返って、また考えて…を繰り返していきます。

午後の稽古では先週に引き続き2シーンを抜き出した「Mission」のシナリオを演じています。2年前から継続している者、新たな役に挑む者、いずれにおいても、演出から求められる水準が高くなっています。表面上の滑稽さ、役者のパーソナリティに依存した面白さは、本当の「面白い芝居」には成り得ないのです。そこに生きている人間を作り出さなければ、何の意味もないことなのです。極めて当たり前のことですが、改めて向き合うと難しい目標です。運営面だけではなく、演じる役者にとっても、ひとつの意識改革の時がやってきました。

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稽古前の発声練習、早口言葉などの基礎訓練。

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熱心な稽古の様子をジョッピーも見守っています。
そして演出席には相変わらず椅子がないのでした。

本日Mission Startです。

Posted by theatreminori on 03.2014 稽古レポート 0 comments
3月の「Memory_Stock」も終演し、4月になり、早くも第13回公演「Mission」が動き始めました。今回は準備を進めているある企画もあり、すべての部門において、ぬかりない準備と鍛錬が求められる公演になりそうです!

そんな決意を存分に感じさせてくれたのが4月3日(木)の制作部と稽古でした。制作部では「Memory_Stock」で目標を下回ってしまった観客動員をどうやって挽回するかが大きなテーマとして話し合われました。どうしても井の中の蛙と言いますか、外部団体との交流が少ない団員が多く、友人・知人だけのネットワークでは増員が見込めなくなってきている点に着目。今回は、近隣で同じ規模の活動を行っている団体に足を運び、折り込みだけではなく、公演も拝見して関係性を深めようという提案がありました。やはり、一歩通行に都合のいい時だけお願いします的な関係では、相手方もこちらの活動に興味を持ってくれません。地道な営業で、フェイス・トゥ・フェイスの関係を育てていこうという作戦です。

これは一般的な劇団であれば「何を今さら」な発想でしょう。しかし、我々の活動拠点と構成する人員には、地域に対して閉塞的になりがちな体質がある中で実現すれば大きなアクションです。願わくばその取り組みが実を結びますように。

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制作部ではそれ以外の情宣作戦も話し合われたほか、肝心の宣伝素材、チラシ・チケットなどのデザインについても話し合われています。4月中にはデザインの大筋を確定し、5月には入稿。6月にチラシ配布を開始する予定です。9月の公演だからまだ先だと思っていると、実はあっという間に手遅れになるのです。すでに来週にはチラシ担当者から最初の案があがってくることになりました。宣伝の仕方の方向性が見えてきたところで、このアイテムが完成しないことには話になりませんので、最優先に仕上げていくことになります。

この時点で急ぐ必要はないものの、グッズの素案についても議論されました。数点のサンプルを持ち寄った団員がプレゼンを行い、意見を募って指針を固めています。今回はグッズのデザインの中に、てあとるみのりのマスコット的キャラクター「ジョッピー」も入りそうです。いや、入れたいです。


午後の稽古でも、まずは午前中の制作部報告があり、役者たちも気を引き締めていました。さらに、主宰者手作りの役者訓練テキスト(全36ページ)も配布され、早速発声の基礎、滑舌の強化などに取り組みました。肝心の芝居の中身を高めるには役者としての基礎能力を向上しなければいけません。団員たちもこれまでの公演の中で気付き始めていることなので、素直にテキストに向き合って、真摯に訓練に取り組んでいました。

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稽古の後半は、2012年に公演した際の「Mission」脚本から数シーンを抜粋した素材を使って、役を割り振ってのセッションを行っています。それぞれのキャラクターの個性が、まさに複雑に折り重なった混沌状態ながら、それはそれで面白いリアリティがありました。演出からは、この感触が脚本(セリフ)に閉じ込められ、形骸化してしまわないように気を付けてほしいと、役者たちには大きな課題が出されていました。

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それぞれが、それぞれの闘いに挑む2014年夏。文字通り、本日より「Mission Start」です!

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