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2月27日の「Memory_Stock」です。

Posted by theatreminori on 27.2014 稽古レポート 0 comments


制作部ではグッズ製造が本格化しています。予告編動画から衝撃を受け、いてもたってもいられなくなった団員も緊急参戦。必死にグッズのコンセプトや思いをプレゼンしていました。最終的には全員で審議をして、開発が認可されています。「ここは大切な居場所のひとつ」とてあとるみのりのことを称したこの団員。決して体調が万全というわけではなく、様々な事情のある中で、ひとつの作品、ひとつの拠り所が、生きる力の一部になっていることはてあとるみのりとして名誉あることです。

そんな身近なところからの期待を受けて行われた午後の稽古。いよいよ本番までラスト3です。その重圧からなのか、序盤は全くいいところのない、ひどい内容でした。先週の稽古が半分自主練習になったことの影響なのでしょうか?演出からは「先週より退化している」「歴代最悪の出来」「本当に脚本を読んでいるのか?」という厳しい言葉が次々に突き付けられました。その矛先はセリフを必死になぞっている、頭で再生するばかりの演技に向けられていました。歴史の年号を覚えて褒められるのは小学生まで。その歴史が持つ意味まで理解しなければ意味がない…と例えられたセリフの形とその中身を把握することの違い。これまで何度も説いてきた内容でしたが、どうしても演技にその答えを反映できない役者たちがいました。これではキャラクターの魅力、妥当性が何も伝わってきません。演劇という媒体である以上、いくら頭で考えて悩んでも、その答えが表現できなければ意味がないのです。

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もっとその場で起こった出来事に素直に向き合い、物語の中の人物としてやり取りを楽しむ。かつて即興稽古で何度も実感していたはずの感触。頭と心を整理してもらう休憩時間を挟むと、役者の何人かは思い切りが付いたのか、その感性を発揮し始めました。正確なセリフのやり取りに配慮して小さくまとまるより、多少のブレがあっても勢いは失わない。ドラマとしてはこちらの方がはるかに魅力を感じました。

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この局面で問われるのは、いかに脚本を読んでいるのか?自分のセリフを覚えるために、自分のセリフだけを読んでいるようでは、この思い切りには至ることができません。今回の変化の中で、日々の取り組みの成果が底力として発揮された役者と、明らかに脚本を読み込んでいない役者の差が明確になってしまったのはうれしさと悲しさが半々でした。全員に授けられた「ひとりが頑張っただけでも、ひとりがサボっただけでも、いい舞台は創れない。全員で力を合わせて創っていこう!」という演出からの言葉は、彼らの胸にどう響いたのでしょうか?

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ここまで来れば、やるべきことははっきりしています。我々は不器用でも行動を、勇気を示し、もがき、泣きじゃくり、苦しみながらも動き出した仲間には手を差し伸べ、共に苦しみを分かち合い、喜びを共有します。それこそが、私たちが劇団員という絆で結びついている証なのです。

「ひとりが頑張っただけでも、ひとりがサボっただけでも、いい舞台は創れない」

2月20日の「Memory_Stock」です。

Posted by theatreminori on 21.2014 稽古レポート 0 comments
どうも。総監督の椙田です。21日(金)からは、余所の団体の舞台に役者として出演する椙田です。なんと、チケットがほぼ完売というビックリな舞台です。てあとるみのりも前売り完売を目指しましょう。

さて、20日(木)の稽古は変則的でした。演出を務める私が、どうしても外せない行政との会合に出席するため、稽古時間の途中までしかいられず、残り時間は自主稽古となりました。



約1時間ほどの稽古では、先週の通し稽古で課題になった部分がどの程度克服されているかが注目されました。まだまだ、しっかりと改善してきた役者と足踏みをしている役者が混ざっていました。また、セリフの真意、その言動が物語の中でどのような意味合いを持つのか・持たせるのかの解釈が構築されていない役者もいました。公演まで1か月。稽古は4回しかない状況です。目覚めを待つゆとりはありませんので、言葉の裏側に関するヒントが次々と出されています。「そこまで考えて脚本を読んでいなかった」「今までセリフを覚えた気でいたけれど、何をやっていたんだろう」と、今さらながらに、演技の核心に触れて、打ちひしがれる役者の姿もありました。

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しかし、そんな奥深さ、言葉の裏側の感情・思惑に基づいた演技ほど面白いものはありません。言葉が記憶としてではなく、感情やキャラクターから自然と溢れてくるのですから、演じていてこんなに楽しいことはありません。ぜひ、上辺をなぞるのではない、本当の演技に近付いて、演劇の面白さを何倍にも増幅させて実感していただきたいところです。

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自主練習ではそういった物語の神髄に少しでも触れるため、記憶をたどるのではなく、物語をたどろうと、あえて脚本を読みながらの稽古が行われていました。さらに、役をシャッフルして、相手が受ける感覚、気付きを得る試みも行われています。貴重な稽古時間の中で、何かをつかもうと必死になっているさまが伝わってきます。

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実際にはこれまでも、どんなセリフにも言葉の裏側に潜む意味がありました。人物の主観的な意味、物語の中で位置付けられる意味など、その性質は様々ですが、練りに練られて命を与えられている言葉のひとつひとつですから、ただの形であるはずがありません。役者は時として、セリフを覚えることを第一のミッションであると履き違えてしまいますが、そんな本質を見抜くことこそ、役者の使命でもあり、楽しさでもあるはずです。この日の気付きを、大切に育ててもらいましょう。

この成長は、人間としての成長に直結します。自分本位で物事の表面だけなぞって一喜一憂しないようになるだけで、息苦しさが、生きる苦しさが軽減されるはずです。

まずは、ゆる劇×芝居屋-万-コラボ公演「Re:Birth」で、来場した団員たちに主宰者自ら、役者としての姿を見せつけてみます。

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第12回公演予告編動画公開です。

Posted by theatreminori on 18.2014 お知らせ 0 comments
てあとるみのり第12回公演「Memory_Stock」の予告編動画です!
物語のミステリアスな雰囲気と役者たちの姿をご堪能ください!



2月13日の「Memory_Stock」です。

Posted by theatreminori on 13.2014 稽古レポート 0 comments
どうも。自分が出演する舞台が近付き、準備の大切さを口だけではなく真に迫って説くことができる状態の椙田です。ゆる劇×芝居屋‐万‐コラボ公演「Re:Birth」では、私が口だけではないということをお見せしましょう。…と、さりげなく宣伝しました。

この日の制作部は公演で使用する小道具、グッズ関連の準備に奔走しました。公演まで1カ月少々となり、迅速に準備を進めないといけません。もちろん、午後に控える通し稽古までに間に合わせたいアイテムもありますので、そちらの製造にも力が入りました。この時点で明確にできることは限られているので、写真も控え目です。ただ、屋外で行わなければいけない作業もある中で、制作部の面々は「行きますよ」「大丈夫です」と、率先して動いていました。寒さや面倒臭さをにおわせる者はいませんでした。みんなが立派な制作部の一員、てあとるみのりの団員という証です。


何台ものデジカメ。これを撮影しているのもデジカメ。

午後は役者たちが本領を発揮する通し稽古です。こちらも、ネタバレ防止の観点から、公開できない写真の方が多く存在し、ちょっと報告としてはさびしいものがありますが…ご容赦ください。全体の出来としては、これぞ初の通し稽古と言わんばかりの内容でした。まあ、どういう意味かはご想像にお任せします。訓練と実戦は違うということですね。

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徐々に衣装のような風貌の役者が目につくようになってます。

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写真だとわかりませんが、このシーンはセリフがめちゃくちゃでした。

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セリフを忘れて困っているのではなく、これはこういう演技です。

通し稽古の出来についてもう少し詳しく語るのであれば、まだまだ全体で合わせてどうのこうのと言えるレベルではなかったのが正直な所感です。個人の準備がまだ足りないということです。脚本の読み込み、セリフの確認、人物像の形成など、重きを置くべきポイントは人それぞれでしょう。そういった優先順位の差を差し引いても、まだ一人の登場人物として物語の中で生きている感覚がないと申しましょうか、あらゆる言動に不自然さと不安そうな役者の素顔が見て取れました。この状態では何度合わせて稽古をしても時間の無駄です。役者たちはそれぞれが「自分が一番ひどかった」という無念さを持ち帰ったはずです。その思いを次の演技に生かして、必ずや個々がしっかりとした準備を完遂してくることに期待しましょう。

2月6日の「Memory_Stock」です。

Posted by theatreminori on 06.2014 稽古レポート 0 comments
どうも。最近お酒を飲んでいない総監督の椙田です。2月になり寒い日々が続いておりますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。てあとるみのりでは相変わらず裏も表も「Memory_Stock」に向けて鋭意作業と稽古を進行させております。

午前中の制作部では先週の打ち合わせでそれぞれが宿題として持ち帰ったグッズの試作品、改良案のプレゼンが行われました。ここで話し合いのテーブルに乗ったグッズ案だけが、交わされた率直な意見、改善案を加味した次の試作品提示予定日に審議を受けられます。残念ながら、この段階で話し合いのテーブルに乗らなかったもの、乗せる意思がなかったグッズ案は開発中止となりました。徐々に生き残ったグッズが少なくなってきましたが、制作部も役者と同じく多忙を極める部門です。翌週には翌週片付けねばならない責務があります。気を利かせて時間を止めてお付き合いしていられませんので、致し方ないことかと。

さらに制作部では当日パンフレットのイメージ、チラシ折り込みの具体的プランが確定しています。折り込みプランでも、机上の空論で終わらないように、すぐに直近公演の団体にアポを取っています。「また来週」では遅すぎますので。それぞれの人脈で有効な情宣の拡充を図っています。制作部としてだけではなく、役者個人としても、自分と関わりのある人物に手紙を添えてチラシを発送する作業を行っている者もいました。不慣れな手書きの手紙に何度も書き直しを加え、心を込めて仕上げたメッセージが、お客様の胸に響くことを祈ります。

午後の稽古では、当初はついに全キャストが揃う予定でしたが、1名病欠により成就せず。それでもこれまで以上の緊張感と集中力が稽古場にあふれていました。来週に控える通し稽古のせいでしょうか?3月20日に控える本番まであと数回しか稽古がないという危機感からでしょうか?写真撮影担当も緊張のあまり、画像サイズがバラバラになっていたり、無断ではご法度のフラッシュ撮影がなされていたりと、それなりに取り乱していたようです。

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演出の声を聴く態度も様々。

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何かを訴えてみたり…

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仲良くなってみたり。


そんな稽古の振り返りは、みんな幸せそう。充実した稽古の証。

この日の稽古では数多く、物語や人物の深い部分、一見すると読み取れない裏側に触れるフィードバックが行われました。本来であれば、これは役者が読み解いてくるべきことなのですが、残りの稽古回数と現状の仕上がりから見て、及第レベルに到達することは困難との見切りをつけています。まさに出血大サービス状態で、演じ方のヒント…いや、ひとつの真理が公開されていました。もちろん、それをつかんで色を付けるのは役者の領分です。本当に大切なものを見失わないように、正しき道で努力を積み重ねていっていただきたいところです。本日の稽古参加者には、そんな核の部分が伝授されたはずです。時間を巻き戻すことはできませんので、そう信じましょう。

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