Missionフォトギャラリーの第4弾です。
公演は全部で7ステージ行われましたが、実は14日の日中には初日の修正点の確認を行うためのゲネプロが行われたのです。もちろん無観客です。もちろん衣装、小道具、照明などは本番同様です。今回は、どのお客様の目にも触れることのなかった、このゲネプロの様子をお届けしましょう。芝居の内容に変化はありませんが、本番中では撮影不可能(お客様が客席にいるので)なアングルや距離から撮影された貴重なショットです。お楽しみください。

環境NGOファイナル・フロンティアが密輸犯を探索して
ちょうど誰もいなくなった真鍋発掘研究室に踏み込む。
探索は空振りに終わり周辺の密林で待機を命じられる。

発掘現場から戻った荒木は煙草がないことに苛立つ。
部屋が散らかっていてもお構いなし。

自分が片付けたはずの部屋が散らかっていることにため息をつく佐野。
その場に居合わせたことから犯人は荒木だと思い込んでいる。

部屋を散らかした真犯人はファイナルフロンティアなのだが…
当然二人の意見は食い違ってしまう。

一緒に部屋に戻ってきた大友を証人として呼びつける荒木。
しかし、日系コロンビア人の大友が喋れる日本語は「ハイアラキサン」だけ。

やがて日本からの新人、栗原が到着する。

近隣の案内を頼まれた荒木はアナコンダの巣に栗原を連れていく模様。

研究室の支援者竹下と室長を任されている真鍋の会話。
どうやら発掘調査の成果は芳しくないよう。
そして真鍋は禁煙中とのこと。

神殿発掘の依頼主でもある部族代表リオサ登場。
護衛の戦士サリと共に新人を歓迎するための地酒を持参。

リオサから差しのべられた手に握手で応じた栗原。
しかしそれはこの部族の間では敵対の合図だった。

何とか誤解を解くことに成功し、楽しい宴が幕を開ける。
実はこのお酒はとんでもないもので作られている…。

盛り上がっているところに国際特捜探偵機構の迫田と名乗る人物登場。
逃亡中の密輸犯を追いかけているとのこと。

そこへ大友に縄をかけたファイナルフロンティアが乱入して来る。
どうやら密輸犯は大友とのことらしい。

しかし、大友は単なる運び屋だった。
密輸組織の黒幕として正体を現した迫田が主導権を握る。

発掘調査研究室の面々が一瞬の隙を突いて形勢逆転。
迫田は捕縛され、交換条件として大友は束の間の自由を得る。

この土地に出はやっていけないと感じた栗原に、
自分自身がなぜこんな取り組みをしているかを語る真鍋。

竹下に日本に帰りたいと懇願する栗原だったが、
この土地で誰かが自分を変えてくれることを期待していたことを見抜かれ、
竹下に厳しく己の甘さ、与えられることしか考えていないことを追及されてしまう。

とことん追い詰められながらも日本に帰る決断を下した栗原に、
竹下からの最後のMissionが告げられる。
「自分の行き先は、自分で決めなさい」
…以上、大まかなあらすじを添えてお届けしました。
さて、現在のてあとるみのりは、この第8回公演の振り返りをしつつ、早くも次の公演へ向けて始動します。次の公演というのが、あうるすぽっとの「THE STAGE」のことなのかどうかは…まあ、いずれわかります。気になる方はこのブログだけでなく、総監督のツイッター(@TM_GM)をチェックするといいでしょう。近いうちに何らかの情報が出てくるはずです。ではまた。
第8回公演「Mission」フォトギャラリーシリーズ第3弾。今回は仕込み風景をお届けしましょう。普段は福祉の事業所として全く異なる用途で使用されている空間が、小劇場仕様に生まれ変わっていく様です。似たような環境での公演を考えている方のご参考になれば幸いです。なお、忙しい工程が多々あったため、少々飛び飛びの画像になっている点はご了承ください。

仕込み前の土日に先乗りして、可能なエリアの壁紙貼りを行いました。

今回の舞台はジャングルの中の発掘調査研究室。
ということで、ウッド調の壁紙40mを購入しました。

このままだと綺麗な壁になってしまうので、この後、汚しを入れます。

まず墨で汚しを入れ(写真は墨の汚しまでです)、
舞台が発掘現場の近くということで、茶色2色のスプレーで仕上げました。

この日は現地人の酒壺も製造しました。
基本設計と着色はSugi。結合部の仕上げは団員F。

こちらは仕込み当日。9月12日(水)です。
まずは何カ所かある窓をふさいで暗室にします。

玄関のドアのガラスもふさぎます。
この時、表に広告が見えるように細工をしておきます。

この遮光ボードをドアの裏側から設置すると…。

何とも言えぬ存在感。通称「岩戸」。

こちらは小道具の仕上げに必要なツール作り。
文字を切り抜いた台紙を作っています。
これが装置の段ボールにプリントされていた文字になります。

そしてパネル作りのための角材も購入。
壁紙と角材等、装置には約30,000円かかっています。

実はこうして装置を作りこむのは初の試みでした。

慣れない木工作業でしたが、みんなで協力と工夫をして進めました。

特に苦労したのが「直角」を作ること。
パネルをまっすぐ支えるために必要なパーツなので何度か作り直しました。

パネルと直角の固定方法を協議。
効率よくかつ安全性・安定性を確保するにはどうすべきか?

汚し作業。これも墨で入れています。

パネルは張りぼてなので、固定する前に汚さないといけません。
色合いをほかの壁と揃えるのがなかなか難しかったです。
(仕上げは固定後にスプレーで行っています)

そうこうしているうちにパネルが立ち並びました。
天井までほとんどぴったりの高さ。240cmぐらいあります。

窓の外に茂る草木の装飾を大勢で行いました。
照明を舞台仕様にしているのは、どの程度茂らせればそれらしく見えるかを確かめるためです。

パネルへの壁紙貼り。まずは上部をガンタッカーで固定。
壁紙の自重による伸びを見込んで、下部の固定は翌朝行いました。

それらしくなってくると、結合部分の壁紙処理が課題に。

100円ショップで買いそろえたすだれを天窓部に設置。

壁の下部、熱帯っぽさを出すために板ではなくここにもすだれ。

細かい直しや汚しを加え、小道具系装置も並べて仕上げです。
今までのてあとるみのりでは、舞台装置と言っても壁に紙を貼る、既製のパーテーションでエリアを仕切る、簡易ステージで段差を付ける程度の設営しかしていませんでした。通常の劇場とは異なる、すぐそこに壁や天井が実在する空間だからこそできる手法を用いて雰囲気を演出してきました。しかし、「ここだからできる」ということは「外では通用しない」程度の力しか持っていないということでもあり、そこに甘んじているままでは成長しないといえます。これから外部での本格的な公演をしたいという劇団の意思、またはそれを求めるお客様の声がある現状を踏まえれば、それにふさわしい力を付けていく、そのステップアップが必要でした。そこで、脚本段階から舞台装置を作らなければ場面を再現できないような指定を施しました(今までは既存の空間的制約を逆手に取った場面設定をしていたが、その逆を試みた)。そのひとつが窓の存在です。既存の壁には窓はなく、仮にあったとしても外は密林でありません。何とかして窓を作って舞台の中に存在させなければいけないわけです。当初は雨が降ってくる場面で実際に窓の外に雨を降らせる仕掛けも考案され、その前提で装置は設計されました。技術的には可能な状態まで煮詰めていたのですが、時間と人員が足りず実現には至りませんでした。
何はともあれ、設計する側も初の試み、力を合わせて作る側も初の試み、それを指揮する側も初の試み。そんなチャレンジを力と知恵を合わせて乗り切ったことは大きな財産でした。初挑戦で小劇場演劇の標準的装置レベルに片手をかける程度までの成果を残せました。この空間の元の姿をご存知の方は大いに驚愕してくださいました。逆にこの空間をご存じないと思われる方には、どこが装置なの?安っぽい舞台だ!という誤解を生じさせた可能性が大きいことも大変名誉なことです。
演じるだけが演劇ではない。この皆で作り上げた舞台そのものが、今回の参加者全員が「一体感があった」「チームだった」と感じ、「すごく楽しかった!」「素敵な時間だった」と喜びを感じることができたひとつの大きな要因だったのではないでしょうか。
念のため説明しておきます。この装置は設計と陣頭指揮こそSugiが行いましたが、作り上げたのは役者を含めた参加者全員です。彼らは決して与えられた器の中で羽を伸ばしていたわけではありません。脚本と役者の関係と同じ。舞台は参加者全員の物なのです。これがてあとるみのりが目指している「創造する力」「成し遂げる体験」の具現化のひとつであり、そこに人間の可能性の一部を感じていただければ嬉しい限りです。
以上、今回は脚本家、演出家としてではなく、舞台監督、てあとるみのり総監督として語らせていただきましたSugiでした。
さてさて、まだまだありますよ、Missionの写真。
今回は公演中の写真だけではなく、それ以外の時間の役者たちの様子を中心にお届けしましょう。
公演そのものの様子は→
こちらです。

まるで転んでいるかのような後姿は狩野隊長。ウォーミングアップ風景。

迫田のバージョン3。中道に捕まりました。

迫田バージョン2。制作の手伝いのはずが…。

中道その2。この役者は全部で3役。

受付で販売していた手作りグッズ。なかなか好評!

公演の後のひと休み。差し入れを頂き、アンケートを真剣に読む。

役者同士で記念撮影。赤いシャツは迫田バージョン1。

ソファでくつろぐ現地人。リオサとサリ。

まだ名前のない黄色ジョッピーに差し入れが振る舞われる。
さて、そして千秋楽で発表になった第9回公演のタイトルは…こちらです!

カーテンコールでセットの中の段ボールをひっくり返すと、スプレーでこのタイトルが書かれているという仕掛けで、観客はもちろん役者たちまで驚かせました。実は毎回千秋楽では装置のどこかに次回作のタイトルが隠されているんですよ。
なお、この「THE STAGE」は豊島区の福祉関連団体と行政の共催イベントのゲスト枠での公演です。イベントのスケジュールの都合上30分という上演時間で依頼を受けています。最近のてあとるみのりにしては短い枠ですが、もちろん参加者を幅広く募集しています。役者だけではなく裏方も大歓迎です。近々参加の申し込みが可能なお問い合わせフォームを立ち上げますので、よろしくお願いします!
てあとるみのり第8回公演「Mission」は9月17日の千秋楽をもって終了となりました。ご来場くださった皆様には重ね重ね感謝を申し上げます。
本日は公演の様子を惜しみなく紹介してまいりましょう!ご来場いただけなかった方に、少しでも雰囲気が伝わるとうれしいです。

装置はこんな感じ。窓には奥行きを持たせました。

役者たちウォーミングアップ中。

アムール・大友(手前)は何者なのか?

パスポートが偽造であることを看破する竹下。

現地人の登場。族長のリオサが勇ましい。

怪しげな酒を奨めるのが楽しみなサリ。

昼の公演には第3の現地人、カルハも登場。

ちょっとした文化の違いが危険な状況を生む。

国際特捜探偵機構を語る迫田登場。

環境NGO「ファイナル・フロンティア」が密輸容疑で大友を確保。

現地人がファイナル・フロンティアの前に立ちはだかる。

とにかく武力で鎮圧しようとする狩野隊長。

実は密輸の黒幕は迫田だった。

竹下に喝を入れられる栗原。

こちらも竹下。ダブルキャストでした。

みなさんありがとうございました。

そしてジョッピーも出演。初日と楽日以外はピッピーやチャッピーが…。
★★★★★★★★★★★
残券の最新情報は→
こちら★★★★★★★★★★★
いよいよ公演も折り返しの3日目。これまでは平日の2日でしたが今日から土・日・祝日という日程です。そして1日2ステージです。チケット発売当初は売れ行きが不安視されていましたが、ここまでは極めて順調に多方面のお客様においでいただいています。ありがたいことです。
今回は19時からの公演の様子を何枚か紹介しましょう。これからご覧いただける方のことを考えて、最初に表示される画像をかなり小さくしています。もっと大きな画像で見たい方は、小さな画像をクリックしてください。舞台装置の様子はもちろん、物語の雰囲気も垣間見ることができますので、ネタバレ注意です!





昨日同様、役者各自がさらに上を目指し、時間を惜しんでお互いに高め合っている姿が印象的でした。少々中だるみ的な弛みがあったような気もしましたが、その反動から夜の公演は完成度の高いものになりました。さらなる進化が期待できそうです。
本日もありがとうございました!