どうも。最近のCD2枚組はケースがスリムなのはうれしいけれど、背中合わせのディスクを取り出すのにドキドキしてしまうSugiです。
最近は「Mission」の脚本構想にかなりの時間を割いています。ここ10日ほどの間に次々と素材が結合して、いや、結合させてくれるような出会いや触れ合いがあったので、急激に物語が成長しています。あまりにも急激な進展に、突然変異のようなイレギュラーが発生しているほどです。要するに、アイディアが沸くけれどまとまりを欠いているような、そんな嬉しい悲鳴状態です。
こうして報告すると、脚本作りが順調なように感じるかもしれませんが、順調に仕上がる脚本などありません。発端が順調であればあるなりの苦悩、煮詰めるまでの奥深さと、自己満足までの高いハードルが存在します。最初に苦労するか、後で苦労するかの違いといいますか、いずれにせよ生みの苦しみは付きまとうものです。
脚本の完成(役者に配本)は4月末日をイメージしています。「かなり早いね」と言われることが多いのですが、自分ではかなり遅いと感じています。もっと早く完成させなければ役者に失礼だと感じています。もちろん、それだけを生業にしているわけでもないので、割ける時間に限界があります。どうしてもある程度の猶予をもらわないと満足いく作品は仕上げられません。それでも、それでももっと早く書き上げたいという欲求を打ち消せません。プレッシャーというより、このジレンマとの折り合いをつけることの方が大変なのです。
よく脚本を書く上で、他者の作品を参考にしたり、影響を受けるようなことがあるのかと質問されることがありますが、それは皆無です。なにしろ、他人の作品には興味がありませんので、小説など読んだことがありませんし、映画やテレビドラマも全く見ませんし、舞台も滅多に見に行きません。影響を受けるきっかけさえないのですから。唯一、向き合うのが、己の過去の作品です。かつての渾身の一作、それを超えるような作品を生み出すことだけが、モチベーションと言えます。裏返せば、この世の中で一番面白いのは自分の作品だということです。馬鹿げたほどのナルシストぶりですね。しかし、芸術作品の評価に絶対的な尺度がない以上、主体的に判断できる自分の作品だけが、唯一確かな判断基準になることは確かなことではないでしょうか。他人の作品に感服し、目標だと崇拝しているようでは、自分の限界は超えられないはずです。それは劣等の受容、妥協の証明でしかありません。
まあ、そんなわけで、今から1カ月ほどは過酷な執筆作業に挑みます。仕事も新年度でいろいろな変化が生じるタイミングなので、はっきり言って五体満足で書き上げられるとは予測していません。それでも、時間は流れていきます。先送りにはできません。これまで以上の覚悟を持って、期待に応えられるだけの作品を生み出します。もちろん、自分自身の期待に。ナルシストでもあり、マゾでもある自分自身を超えていくために。
「俺たちをつなぐのは、そんなものじゃない」
どうも。お気に入りの居酒屋の店長さんが再び異動してしまい、どこまで追いかけていこうか迷っているSugiです。
今さらながら、てあとるみのり第7回公演「ミンナ_シッテル」へのご来場、ご支援、ありがとうございました。おかげさまで無事に公演を終了することができました。毎度のことですが、早くも次回作のタイトルと公演時期を発表してしまいましたので、そちらもどうぞよろしくお願い致します。
さてさて、そんな「ミンナ_シッテル」ですが、ブログでは様々な偽あらすじが公開されてきましたね。もはやネタバレ防止の必要がなくなりましたので、ここで正しいあらすじをお届けすることにしましょう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「近日発売の最新次世代スマートフォンを先行プレゼント」
そんな企画に応募し、書類審査を勝ち残った者たちが集められます。最終選抜方法は、応募者同士の協議による当選者1名の選抜でした。本名も出身地もわからない者同士が、スマートフォンを何故欲しいのか、何に使うのかといった純粋な動機を頼りに協議し始めます。
ネットの世界に人の温かさを求める少女、ネットの情報こそ世の中の真実であると啓蒙する青年、スマートフォンを介した仮想現実の交流を現実の交流と重ね合わせる少女、最新の機種を自慢したいおばさん、昆虫の研究に勤しむ男性など、それぞれの動機はバラバラ。やがて、一人の青年が語り始めた言葉に一同は驚愕します。
「自分は応募者ではありません。当選者を決めるために派遣された審査員です」
彼が語る根拠は、理路整然としており、真実味がありました。ネットから得たという他者の「真実」が、単なる虚像であったことが明らかにされていきます。そう、目の前のこの現実こそが「真実」であると言わんばかりに。
同時に彼は、機械を介して感じる人の温かさを「思い込み」であると論破します。その言葉の裏側には、人間が人間と触れ合う中、夢を追いかける志の中にこそ、人とつながる本来の意味、支え合うことができる可能性があるのだという、温かさがあるようでした。
こうして、応募者は次々と心を改め、部屋を出ていきます。最後に残った審査員の青年。実は、彼も単なる応募者でした。彼のこれまでの宣言も論説も、全ては偽りのものだったのです。結果的に部屋に残った彼に、次世代スマートフォンが贈呈されます。彼が繰り広げた相手の心の拠り所、その弱みに付け込むような騙しの手口に、憤りを隠せない担当者が詰め寄ります。
「何があなたをそこまでさせるのですか!正気とは思えない!」
「そうですね…。とてもまともじゃありませんね…」
自嘲的な笑みを浮かべた青年の手はぶるぶると震え、やがて呼吸困難をきたすような発作に見舞われます。彼はのたうちまわりながら、その答えを語ります。常に最新の端末を保持していないと、不安で押しつぶされそうなのだと。
なんとか呼吸を落ち着かせ、部屋を去った青年。しかし、不安は常に彼の心を襲うことでしょう。他社はすぐに最新の次世代端末を追随する機種を発表するはずです。そして、たった今「最新」である機種を提供した会社でさえも、来月からは新機種の開発を始めるというのです。
物語は悲壮感を持ったまま幕を下ろしつつありました。その刹那、あの青年が振りかざした「目の前にある真実」さえも、真実ではなかったことが明らかになるのでした…。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
当然ながら、この展開の背景には様々な人間模様が織り込まれています。あらすじだけでは100分以上に及ぶ舞台の面白さは完全に伝えきれませんので、実際にご覧いただけなかった方には物足りないことでしょう。しかし、ご安心ください。次回作にて、今作以上の面白さをお届けいたしますので!
…有言実行です。はい。
ちなみに、「ミンナ_シッテル」のアイディアの発端は、スマートフォンそのものではなく「振り込め詐欺」でした。錯覚、思い込みとは、当事者にとっては紛れもない真実であり、それゆえに周囲からは冷静ではないと思われるような行動につながってしまう。それは決して個人の不注意ではない、誰もが目にしていないことを自分の立場に置き換えて一喜一憂している現代社会の「常識」であると感じたことが発想の根源です。「人類は実際に目にしたことのないものを真実だと信じるようになってしまった。光の速度も、地球の青さも、地球の裏側の天気も、それが真実だと思い込むようになってしまった」という終盤のセリフに、この物語の一つの真実が隠されていると言えます。チラシに採用された錯視図、ブログに公開された偽情報、舞台のキャッチフレーズ、物語開幕時のバーチャルライドアトラクションシーンも、このコンセプトに基づいていました。
4月には脚本データをweb公開する予定ですので、こういった物語の背景を意識しながらお目通しいただけると、より一層お楽しみいただけるはずです。
では、有言実行のために、再び茨の道を歩んでいきます。よろしくどうぞ。
どうも。千秋楽前夜はバラシのことで頭がいっぱいになると同時に、次の脚本のことで不安を覚えるSugiです。
「ミンナ_シッテル」は2日目を終了しました。ご来場くださった方々には心より感謝です。明日は千秋楽です。最後の最後には面白いコーナーがありますのでお楽しみに!

非常に身近な部分に潜む題材がご好評をいただいております。

今回一番人気を獲得しそうです。キャプテン・オスカー。
さて、千秋楽は、
13時からの公演がチケット完売です。若干当日券(立ち見)を用意する予定です。
17時からの最終公演はまだ残券があります!
どうも。花粉症になると右の鼻からばかり鼻水が垂れてくるSugiです。
「ミンナ_シッテル」初日が無事に終了しました。あいにくの悪天候でしたが、40名以上のお客様にご来場いただきました!ありがとうございました!思いもよらない展開になることもありましたが…無事でした。
明日も頑張ってまいりましょう!皆さんよろしくお願いします!
明日は18時からの回に余裕がありますので是非ご利用ください。
見どころは客入れのパイプ椅子です(笑)

モクモクと煙立たせてます。